せん-さく (幻冬舎文庫 な 25-1)
せん-さく (幻冬舎文庫 な 25-1) / 感想・レビュー
えりこんぐ
永嶋さんのデビュー作。オンラインゲームのオフ会で出会った29歳の主婦と15歳の少年。それぞれに事情を抱えた2人が行動を共にすることになる。17年前の作品なので、ネット環境の設定の古さなどはあるが、それでも面白かった(・∀・) 読み終えるとタイトルの意味がよく分かる。ご近所付き合いの煩わしさや、不登校の中学生など、暗くて不穏な感じはデビュー作からしっかり盛られてます。さすが。
2017/01/17
ちょん
前に読んだ「災厄」よりも読後感はよいかな。それでも「えっ、ちょっΣ(゚д゚;)」という気持ちいっぱいで物語が打ち切られる感はすごくある(笑)29歳の人妻と15歳の高校生が雨の中、警察から逃げ回る姿はなんか脳裏に印象的。そこに仲間意識くらいあればいいのに。私にはそれすら無いように感じました。
2021/02/01
なつ
重たく暗い。その裏に潜んでいる真実。物語はネットからオフ会、そして現実へと変わる逃亡劇。だんだんと明らかになる少年の真実と典子の過去。どこかヒリヒリするような感じ。欲を言えば、緊迫感と焦燥感がもう少し欲しかったけれど、読み応えは十分。
2015/08/27
tellme
初読み作家さん。ネットで知り合った主婦と中学生男子の逃亡劇。登場人物たちの鬱屈した感情や、行き当たりばったりの逃亡などはリアルでどんどん読めた。ただ、主人公には全く共感できず…。壮絶な過去があったとはいえ、全てを他人のせいにしてる感じが好きになれなかった。他の作品も読んでみたい作家さん。
2017/11/09
アコ
普段手にしないP400以上を読むくらい、すっかりお気に入り作家の永嶋さん。筆致が好きなので読み進める苦痛さはないものの、読後の感想が「設定が甘い・浅い」多めになってしまったのが残念。主人公・典子、遼介、尚斗それぞれに深い悩みがあって逃避行という形になるのはよい。ただ、この手の本にすっごく欲しい『なぜそうなるに至ったのか』の書き込みがイマイチ。ネット文化のあれこれは個人的に興味深いので題材としては好きだし、互いの存在はなんだったんだろう?と読後に自然と考えた。だからこそ惜しい。
2016/08/21
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