ベイジン 上 (幻冬舎文庫 ま 18-1)
ベイジン 上 (幻冬舎文庫 ま 18-1) / 感想・レビュー
KAZOO
これはハゲタカシリーズではなく、中国における原発開発にかかわる物語です。前半は日本の技術者が中国の原発完成を託され、さらには中国の党幹部への昇進が約束される人物、中国のオリンピックを記録映画として撮影しようとする有名な中国人女性の監督これらの視点から物語が始まります。書かれたのが2008年頃ということで当時の原発に対する考え方が今(東日本大震災後)とはだいぶ違うことを感じさせてくれました。
2017/07/03
アッシュ姉
舞台は中国。世界最大規模の原発を北京五輪の開催に合わせ完成させる。運転開始の模様を五輪開会式で中継し、全世界へ華々しく披露する一大プロジェクトが計画された。中国政府関係者による利権争いや不正、手抜き工事や杜撰な管理体制など、問題山積のなか、国家の威信を賭けて、何としても五輪開幕日の運開を死守したい中国側。安全面に大きな危惧を抱く日本人技術顧問の田嶋は、この危機にどう立ち向かうのか。膨大な取材量を感じさせる重厚な内容に、人物造形がしっかりとした生き生きとした登場人物たち。面白くて止まらない超大作。
2015/01/21
まつうら
中国で世界に類を見ない大規模原発の建設が始まった。巨大なカネが動くこのプロジェクトに、利権や権勢の臭いを嗅ぎつけ群がる輩がいるのは、「大地の子」の宝山製鉄の建設プロジェクトにもあった。それが中国という国だ。作業員が建設資材を盗んでいったりするモラルの低さというか、その強欲ぶりには本当に驚かされる。これで原発建設がうまくいくはずはないと思っていると、案の定、IAEAがとても懸念しているシーンが描かれていた。最悪の事態になっても責任回避の弁ばかりで、独力では事態を収拾できない中国をありありと想像できてしまう。
2022/09/23
W-G
超面白い。感想は下巻でまとめて。
カレイ.シュウ
中国に原発を造る日本人技術者と、不正を暴く密命を帯びて着任した中国人官僚が主人公。舞台は北京オリンピック3年前からスタートで、福島原発事故前にかかれているので中国人、社会のいいかげんさ、たくまさしさは書かれるが、比較して書かれる日本の原発事故技術の高さが今となっては悲しさすら感じるが、当時の一般的認識の反映であろう。物語は汚職、権力争いも絡んで文句なく面白い。下巻へ。
2018/05/11
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