遠い椿 (幻冬舎時代小説文庫 さ 5-33 公事宿事件書留帳 17)
遠い椿 (幻冬舎時代小説文庫 さ 5-33 公事宿事件書留帳 17) / 感想・レビュー
優希
絆を描いた短編が多かったように思います。読後感がイマイチの作品もありましたが、全体としては面白かったです。
2021/04/06
onasu
このシリーズは、年に数回思い出したように手にするのがパターン化している。17冊目なんで、何時でもすっと入っていけるし。 シリーズものでは、マンネリに感じるか、慣れ親しんだ設定に「帰ってきた」感を抱くかは紙一重で、ここでは更に市井での勧善懲悪、また江戸後期の京の街が綴られていく。 「賢女の思案」で、周囲に悟られることなく商家の女隠居と顔つなぎをするために、彼女の通う六角堂の境内に菊太郎も日参し、どちらかが声を掛けるよう仕向けるが、相手も承知の上でそうしてきたというのがおもしろかった。
2018/08/07
くぅ~ねる
お気に入りシリーズ17巻目。相も変わらず京の四季や市井の様子を絡めながら、公事宿・鯉屋の面々と町方が協力して些事から大事まで見事に解決していく様子が面白い。文武両道ながらもそれをひけらかす事なく飄々としている菊太郎の生き様がこのシリーズの肝。今回も菊太郎の活躍によっての勧善懲悪、人情裁きが清々しかった。この巻は人情話が多かったかな。産みの親より育ての親、身分違いで引き裂かれた男女、主人を信じて馬鹿をみた家来の家族等の話で悲喜こもごもの内容だけれど、どの話も読み終わった後にしんみりと温かい余韻が残る。
2016/05/22
星落秋風五丈原
野菜売りのお杉は、金物問屋「十八屋」の隠居・お蕗が予期せぬことを口にした。それは、お蕗に思いもよらない出来事をもたらす端緒となり…。表題作ほか全6編を収録。
2009/06/26
fengui
公事宿シリーズ、主人公をはじめとして登場人物たちが生き生きとしていてとても好きです。 だからこそ、まっとうな人たちが幸せに生きて欲しいと願います。 江戸とはだいぶ隔たった生活を送っていますが、人間が求める本質的な幸せはきっと同じ何だろうと思っています。 表題作は…表題作に値する作品です。でもやっぱり最後、涙が出ました。
2011/09/10
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