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タチコギ (幻冬舎文庫 み 21-1)

タチコギ (幻冬舎文庫 み 21-1)

タチコギ (幻冬舎文庫 み 21-1)

作家
三羽省吾
出版社
幻冬舎
発売日
2011-08-04
ISBN
9784344417250
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タチコギ (幻冬舎文庫 み 21-1) / 感想・レビュー

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えみ

時間は自分たちが支配していると信じて疑わず、自由の中の不自由を嘆いていた“あの頃”…。子供の頃に友人たちと無邪気に過ごした思い出は、いつだって実際の5割増しで美化されるものだと思う。だからこそ、安易に「あの頃はよかった」とノスタルジックな感傷にふける物語に落ち着かなかったことに感謝している。輝く強い生命力、活き活きと目の前の事柄に全力アタック!大人の事情が子供たちの間に深く暗い影をつくるとしても、悩み苦しみ恐れたとしても、それを凌駕する「忘れられない日常」があった。大人から子供へ、今伝えるべきことは何か。

2024/06/22

papako

昭和だ〜。こきたなくて、うるさくて、めんどくさい男の子の生態が描かれている。なんだか懐かしく、ちょっとせつないお話だった。自分の子供の頃もこんな感じだったなぁ。子供のまわりに、関係ない大人がいて、社会化が行われていた。これってとても大事だったんですね。犬と一緒で子供の社会化ができていないとうまく行きていけないのかしら。辛い現実をさらっと読ませてくれる作者の作品が好きです。

2014/08/04

MOKIZAN

1978年の少年時代への回顧を芯とした、四十親父の里帰り記。お陽さま燦々というより、いつも土埃と連れ添っていたような心象描写、こういうのも確かな過ぎ方だった。郷に入って懐かしむというよりも、何とも忘れきれない 強い苦みが漂っている。齢とって疲れてくれば、こういう思い出し方しちゃうこともわかる。夢見まで悪くなりそうなんだけど。行き掛けあれだけ気にしていた息子のことが、お座なりのまま閉じてしまったことは、不思議だった。他作を読んでみたい人ではある。

2015/11/06

ヤスヒ

祖母の訃報を受け葬儀に出席するため柿崎は不登校になってしまった息子の智郎を伴ってかつて鉱山のあった故郷へ向かう。30年ぶりの帰郷。柿崎は故郷に着くとかってこの町で過ごした少年時代の記憶を呼び覚まして…という幕開けのストーリー。昭和という懐かしい時代。泥くさくも生き生きとした少年時代の回想が主体となって描かれている。田舎暮しの経験はないのだが情景が目に浮かぶようでなんだか懐かしい気分になった。あともうひとつのテーマは父親が息子にどのようにして向かい合うべきかという事。⇒(コメント欄に続く)

2012/08/13

Shuhei Amaya

『厭世フレーバー』以来、三羽省吾ファンになった私は書店で三羽作品を見かけると必ず買うようにしている。軽い文体にちょっと重めテーマ。大好きです。この作品も作者も、もっともっと人気が出てもいい気がするなぁ。

2013/06/02

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