眠らないため息 (幻冬舎文庫)
眠らないため息 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
7人の女性作家による官能小説アンソロジー。書き下ろしなのか、幻冬舎の編集部がピックアップしたのかは不明。小手鞠るい、千早茜以外は初読。試みはいいのだが、残念ながら大半はそもそも小説としての完成度が低い。したがって当然のことながら官能性にも欠けるという結果に。篇中で唯一、自立し得ているのは千早茜の「赤い閨」。ただ、皮肉にもこの小説は官能を否定したところに成立しているのであり、畢竟きわめてパラドクシカルな結果となった。すなわち、性的なものをなりわいとしつつ、性から最も遠いのがこの作品なのである。
2019/03/27
ミカママ
❤️を注入する予定が、どちらかというと薄味のエロスを注入された感じ。『掃除機ラヴ』の蛭田さんは初読み、わりと好き。一見無機質っぽくて実はエロい、薔子みたいな子ってどんなだろう。年齢に焦りを感じる玲奈の気持ちも、女性として身につまされる。身をよじるような狂おしい恋愛小説が好物ですが、こういうサラっとした短編集もいいもんです。
2016/03/20
おしゃべりメガネ
既読の作家さんが4人、未読の作家さんが3人で意外にも「宮木」さんは初読みとなりました。「千早」さん目当てで読み始めた本作ですが、「千早」さんは期待を裏切らない作風で、さらに印象的な作品だったのは「大沼」さん、「蛭田さん」、「小手鞠」さんでした。と結局、気がつけば偶然なのか必然なのか既読の作家さんが並ぶ結果に。中でも「大沼」さんの作品は既作品とは別人のような雰囲気で、魅力的でした。どこか秘めたる想いをココロ、そしてカラダに抱えている女性たちの連作で、そんなに官能度も強くはないので、サラっと読めました。
2014/11/29
takaC
若い女性がターゲット読者と思われる。おそらく7人とも中年オヤジ読者は重視してないだろう。
2017/06/23
優希
7人の女性作家による恋愛官能小説集。満たされない想いを体に刻み込む女性たちを見ずにはいられませんでした。何かが歪み、快楽の延長を歩んでいるような感じがします。その答えが曖昧だからこそ味わえる大人の味がありました。とはいえ、若干恋愛や官能というには浅いような一面もあるような気はしますが。
2017/05/03
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