平等ゲーム (幻冬舎文庫)
平等ゲーム (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
優希
タイトルに「平等」ですが、実はユートピアには裏側があるのですね。確かに全員平等なんて無理な話で、私利私欲が渦巻くものがあるのだと思いました。
2021/05/16
hit4papa
住民皆が平等というルールが存在する瀬戸内海の島が舞台です。抽選で職業が定められ、買い物も金銭を必要とせず、医療や学校も無償、決め事は住民の投票によってなされます。まさにユートピア。主人公は島に移住する人を勧誘する役割の青年で、絵に描いたようなイノセントです。物語が進むにつれ、平等であり続けるための不協和音が見え隠れしてきます。皆が平等は、果たしてシアワセなのか?という考えさせる作品です。島外の様々な人と触れ合い悩みを深めていく主人公。人生とは何か、生きがいとは何かを問いかける成長物語でもあるんですね。
2019/01/28
mr.lupin
瀬戸内に「人口1600人、全員平等」の島がある。仕事は四年ごとの抽選で決まり、住居は家賃も光熱費もタダ。究極のユートピアだった。芦田耕太郎はそんな島への勧誘を行っていた。そんな全てが平等で素晴らしい所なのに、何故か不平等が見え隠れしてきて葛藤する耕太郎。もう少し島の内情が描かれていると面白さも増したような気がする。平等と言えば聞こえは良いが、その反面個性を失くす、う~ん、なかなか難しい問題だと思う。 ☆☆☆★★
2020/09/10
きょん
島民が全員平等だと謳う鷹の島の生活は本当にユートピアなのだろうか。生きていて口惜しい思いをしたことがない耕太郎が現実社会の厳しさを身をもって知ることになる。人生は山あり谷ありで勝つこともあれば負けることもあるのだ。そうして人は生きていかなきゃならない。でもでも歳をとったら是非こんなところで生活してみたいな。
2020/05/21
おかだ
瀬戸内のちっちゃい島、人口1600人ほどの鷹の島。ここは皆がとにかく平等に暮らせる島なのだと。家賃・光熱費なし、仕事は4年ごとの抽選で決まり、島の利益を島民に平等に分配。格差も貧富の差もなしのユートピア、しあわせや〜!…と思う?でもさ、抽選でめっちゃめちゃやりたくない仕事に当たったらどうする?もっと自分の可能性に賭けたい、夢や限界に挑戦したい、ってなったらどうする?やっぱり選択の自由が無いよね。私なら、移住しないなぁ〜。と最初から思った。主人公が迷い、目醒め、自分の信念と向き合う過程が非常に興味深かった。
2023/06/03
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