探偵ザンティピーの惻隠 (幻冬舎文庫)
探偵ザンティピーの惻隠 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
佐々陽太朗(K.Tsubota)
シリーズ第3弾。おっと、また「骨」ですな。そして今回の事件でも「探偵は人がひた隠しにしてきた過去を暴いて良いものかどうか」、この疑問がザンティピーの前に立ちはだかる。もちろんそれが依頼に基づくものならば、依頼者に忠実に真実を伝えるべきだろう。でも、それが依頼に基づくものでなければ・・・。ザンティピーの答えは人の心に寄り添うものだ。そう、なによりも人を思いやる心を大切にする。人を思いやったとき、不都合なものは心の中にしまって墓まで持って行く。ザンティピーは心優しき探偵だ。悪くない。
2013/05/25
再び読書
今回も寅さん節は健在、こんなゆるい物語も心地良い。しかし、三連続北海道の温泉は頂けない。せめて東北くらいにすれば、どうでしょうか?謎はまたもや関係者のなかだけでの秘密で終わりましたが、警察の解決では無い気持ちへの配慮が、まあ日本的と言えばそうなのかもとも思えます。シモーネとの恋愛も進展せず、もやもや感が続く。三作目としてはもう少し、シンポが欲しい。要望ばかりですが、心地よい時間は過ごせました。次作があれば、いや出るのであるが、読んでみたいと思います。
2016/09/07
いたろう
シリーズ3作目。ニューヨークの私立探偵ザンティピー、3度目の北海道行。今回は、ザンティピーのアシスタント、シモーヌの友人エヴァが依頼人となり、エヴァの祖父が生前大切にしていた、友人だという日本兵の写真を返すために、ザンティピー、シモーヌ、エヴァの北海道への3人旅。無事に写真を返すことができたものの、その直後に大変な事態が・・・。「男はつらいよ」仕込みの下町言葉の日本語を話すザンティピーの日本での探偵ぶりも板につき、このシリーズはやっぱり面白い。シリーズはこれで完結なのだろうか。いつかまた、続編を読みたい。
2019/05/05
Norico
ザンティピーさんの活躍第3弾。またもや北海道の温泉にやってきたザンティピーさんが巻き込まれる事件。今度はついにザンテさんたちが滞在中に人が死んでしまいました。そして、解決した事件の謎はやはり結構重め…なはずなのに、なんでこんなにほのぼのなんでしょう。次作はでるのかしら?今度は3人で北海道の温泉にゆっくり浸かれるといいですね。
2015/05/11
mura_ユル活動
ザンテさん三作目。舞台は北海道のジョーザンキーからゴシックへ。寅さんのしゃべり口調はアメリカ人に学んで欲しいと、日本のどこに行ってもすぐ受け入れられる。日本女性の笑顔の良さはその控えめなところ。相手を思いやる、敬う、お互い。返し返され、日本人の美徳の一つ。何かがしっくり来ない。予感、勘、匂い。また、「骨」だ。戦中・戦後、身寄りのない人はたくさんいたんだろう。家を守ろうとする心。30年という長い年月秘密を黙っていること、その上、誠実な心があって、皆に認めてもらう。結局、宝くじが当たったことは偶然ということ?
2013/07/16
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