さようなら、私 (幻冬舎文庫)
さようなら、私 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
馨
短編集。それぞれの主人公たちと一緒にモンゴルに行ったりカナダに行ったり、おっぱいの森でうどんを食べている気になれる素敵な作品でした。『サークルオブライフ』が1番好きです。私も疲れ果ててどこか知らない土地に行きたいと思うことがあるので、何か新たな出会いや発見のある経験を今後することがあれば、大事に過ごしたいと思います。あと、周囲の人たちの支えを当たり前だと思わないことを改めて実感しました。
2019/04/09
さてさて
『自分に限界を作っているのは、自分自身なんだ』と主人公が気づいていくこの作品。そうは言ってもね…という気持ちがある限り、それはきっかけを掴めていない自分自身を確認しているのと何ら変わらないままだと思います。『人生は、ちょっとしたきっかけで、大きく向きを変え、正反対の方向へと転がっていく』。前を向き、上昇気流に乗って高い空の上へと飛び立ってく。そんなきっかけを見つけていく主人公と共に旅をするこの作品。旅情溢れるシーンの数々に、私もすっかり旅に出たくなるとともに、明日からまた頑張ろう!、そう感じた作品でした。
2020/12/07
SJW
辛いことが起こり、殻の中に閉じ籠ってしまった主人公の女性たちが、周りの人の暖かさに支えられて徐々に殻から抜け出して、自分を取り戻すという3つの短編集。3つとも主人公の辛さに感情移入してしまったが、徐々に心の殻が溶け出していく話にほっとする。 小川さんの小説のプロローグはいつも異文化などで驚かされる話が多いが、今回も1つ目はモンゴル、2つ目はカナダだった。カナダの話はバンクーバーだったが、新婚旅行でカナディアンロッキーのドライブの出発・到着地なので、バンクーバーの記述をとても懐かしく読んだ。書かれて(続く)
2018/11/12
にいにい
連続で小川糸さん。今回は、ちょっと重いかな。食事も美味しそなものが少ししか出てこない中短編が3篇。全て、女性の再出発物語。人の死も絡み、その死もメッセージをもたらす。新たな旅の中での出逢いが機転となる。その旅は、近所の見知らぬ施設への旅もあるけど。女性の傍には、素敵な男性がいるのもいいかな。最近読む小川糸さんの作品には、不倫テーマも付いてくる。何故かな。落ち着いた感じで読み終えれる一冊。
2014/12/25
masa@レビューお休み中
友人の死、元彼との再会、仕事の退職…。さまざまなことが繋がって、モンゴルに行くことになった美咲。知らない土地、知らない人々、知らない文化…。見知らぬ異国の地で、カルチャーショックを受ける。たくさんのやさしさも受け取る。携帯の電波も届かない、トイレもない場所で、美咲は少しずつだけど、頑なになっていた心をほぐしていくのです。夢であったものが跡形もなく消えてしまったら、意気消沈どころか生きる意欲さえ失ってしまいますよね。そういうときは、無理に笑顔をつくったり、無闇に動いても空回りするだけなんですよね。
2013/07/13
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