望郷の道〈上〉 (幻冬舎文庫)
望郷の道〈上〉 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
Shinji Hyodo
何故か読まず嫌いで見向きもしなかった北方さんの初読作品。明治中頃、石炭産業が燃え盛っている頃の九州筑豊で石炭の川船輸送と賭場の開帳で名を成した小添家の三男坊の正太(俠気も腕っ節も度胸も筑豊一)。川船輸送と言っても、船頭一人で棹差して操る様な木っ端舟。当時は相当な数の舟が遠賀川を往き来していたのだろう…有名な『川筋者』と呼ばれる所以たい。で、その正太が惚れるのが女だてらに祖父から受け継いだ佐賀の賭場を束ねる『藤 瑠瑋』これが良か女ったい。で〜、すったもんだの有りながら、舞台は台湾へと続く
2016/03/11
はつばあば
北方さんってどう?と尋ねた福岡のお気に入りさんに是非これを読んでもらいたい。あなたと同じ九州男児です。惚れ惚れする。この前読んだ美有さんより逞しくて女らしい女性が登場。任侠物大好きです、お涙頂戴物?いいじゃないですか。今の世の中にこれだけの男と女を、北方さん以外に登場させてくれるのは昔の文豪だけ。今の雨後の筍状態のお子ちゃま作家さんには無理!。あ~、下巻はどのように展開していくのだろう。ドキドキする。これだけの啖呵を切った以上〆をよろしく北方さん(*´з`)
2016/02/28
GAKU
舞台は明治時代、博徒の親分の一人娘瑠瑋と婿養子に入った正太の夫婦一代記。中盤までは往年の東映任侠映画。拠無い事情で一人台湾へ渡ってからは、花登 筺を彷彿させる立志伝。冒頭から惹き込まれ一気読み。数十ページに一回は胸が熱くなり泣いてしまう。これはもう御大北方謙三が、読者を泣かそうと思って書いたとしか思えない。予想がつくベタな展開ともいえるが、だからこそ日本人好みの典型的なお涙頂戴のストーリーに感動、感動。私大好きな北方現代ハードボイルド物とは、一線を画す作品。しかし面白い。興奮冷めやらぬまま下巻へ。
2016/02/20
オカメルナ
小添正太はメチャクチャ強くて、頭が切れ、手先も器用で、度胸も根性もある。そんな正太が賭場の後継者、藤瑠瑋と出会い藤家の婿に入る。正太がとにかくカッコいい。そして正太に負けず劣らず瑠瑋もカッコいいのよ~。痛快だったり、クスッと笑えてしまう場面があったり、そして気づけば涙が出ていたり・・・と最近お疲れ気味で、どよよ~んとしている頭に、ガツンと一発パンチされたような、目の覚める面白さ!物凄く期待して下巻へ行くのだ!
2013/06/08
優希
才能があると妬まれるものなのですね。
2022/03/24
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