ねえ、委員長 (幻冬舎文庫)
ねえ、委員長 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
佐々陽太朗(K.Tsubota)
三編とも人とは違う美しさ、才能を持ちながら周りから理解されず孤高を保って生きている人を好きになる話だ。”誰かの美点に気づく者は少ないけれど、揚げ足とりや間違い探しが得意な人間は掃いて捨てるほどいる。そういうことなのだ。” 著者自身が発達障害の一つ自閉症スペクトラム」であって、子どもの頃は手の付けられない問題児とされていたこと。三編ともがそんな経験を持つ著者の魂の叫びだ。小説としてまだまだ洗練されていないと感じる。しかしそれはテクニカルな問題であって、小説の本質ではない。氏の小説には”切実ななにか”がある。
2016/11/01
aoringo
どこまでも優しいストーリー。はぐれ者の彼らにとって生きていくことはそれだけで勇気がいる。でも自分のこと以上に考えてくれる人はどこかに必ずいて、もしかしてもう出会っているかもしれない。それに気づくことができた彼らは何よりも尊いものを手に入れた幸運の持ち主。その人がいるだけでどんな険しい道でも前に進もうと思える。希望の星となる。回りくどくなったけどつまりそれが恋であり愛というものなのだろう。自分もこの本の人たちのように大事な人のことをちゃんと愛せているかな...胸に問いかけました。
2022/12/17
Tαkαo Sαito
昨日書店で適当に選んで買いました。久しぶりに小説が読みたい気分だったからです。アタリの本でした。切ないけど最高でした
2015/05/10
馨
久々にベタい小説が読みたくなり購入。市川作品は読みやすいので一気に読みました。先日読んだ市川作品よりはるかにこちらの方が好きです。良い意味で、ありがちな彼の作品っぽい!(笑)私的には表題作より最初の『Your song』が好きで、こちらを長編で掘り下げてほしかったと思います。でも短いから良いってのもあるかも!?表題作はホロっと泣きました。宏樹カッコよすぎです!!
2014/05/26
さっとん
久しぶりの市川さん。 3編からなる短編集で全て高校生の恋愛を描いた青春小説なのですが、どの話も片方もしくは両方が少し変わり者という設定。 クセのあるキャラや、強すぎる個性故の不遇をキレイで透明感のある文章で描く市川さんの世界観はとても独特で心地良かったです。 心温まる、そして心洗われる一冊でした。
2021/08/02
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