昭和の犬 (幻冬舎文庫)
昭和の犬 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
kaizen@名古屋de朝活読書会
直木賞】昭和の中期までは野良犬もいた。そんな時代に始まり、1950年代生まれの同世代の者にとっては著者の経験談かと思うような現実味のある話。最初は猫もいた。一昔前の世代と、犬の習性、行動に興味のある人にはお勧め。標題がまんま内容を表現していると感じた。犬嫌いだけど「近所の犬」も手に取りそうに...
2015/12/30
じいじ
昭和30年代、日本は高度経済成長の真っ盛り、滋賀県の片田舎に生まれた娘・イクの5歳から40歳代までを綴った物語。イクの傍らには、いつも犬がいます。イクのキャラ(とりわけ幼年時代)は、引っ込み思案な性格が愛くるしく可愛くて気に入りました。姫野作品3冊目のこれは直木賞受賞作。それに犬好きの著者の自伝的小説ということで期待を胸に読みはじめた。ただ、文体に馴染むまでの3章(70頁)ぐらいまでは読みづらかった。内容的には〈お涙頂戴〉ではなく、その時代の出来事を絡めてシリアスに描かれているので読み応えがよかった。
2020/08/28
ふう
多分、誰にとっても自分の生きた時代が一番いい時代なのでしょうが、自分の子ども時代を振り返ると、あの頃は何て豊かだったのだろうと思うことがあります。お金と物以外のもの、自然だとか時間だとか緩やかさだとかがたくさんありました。イクが語ったように、『暗黒の時期ではなく、その後の希望の時代』。イクより8年早く生まれましたが、あゝ同じ時代を生きたのだなと、イクの歩いた道をなぞるように読みました。犬や猫だけでなく、出会った人たちすべてへを受け入れようとする思いの深さがいいなと思いました。表紙の犬の佇まいもいいですね。
2015/12/23
ちょこまーぶる
理解したような・・・な感じの一冊でした。しっかりと作者が伝えたい事が、理解できたかは不安ですが、何となくイクの犬と共に歩んできた人生にお付き合いして、人や動物との出会いには無意味なことは無くて、それぞれにはそれなりの意味合いがあることなんだという事を感じましたね。で、読後に直木賞受賞作であったことを知ったのですが、しっかりと理解できなかった自分が残念でなりませんでした。いつの日にか再読したら理解できるかな?と思っています。そして、子供の頃に飼っていた「コロ」との悲しい別れを思い出してしまいました。
2021/01/18
優希
第150回直木賞受賞作。昭和の時代の少女。イクと、その近くにいた犬の物語でした。野犬のようだった犬から血統書つきの犬、散歩で出会った犬など、様々な犬たちが、時代によって関わり方を変えているのが印象的でした。傍にいつも犬がいる生活とはどんなものだろうと考えさせられます。貴重な日常の幸せを除いたような気分です。
2019/05/16
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