わたしの神様 (幻冬舎文庫)
わたしの神様 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
M
「私には、ブスの気持ちが分からない。」インパクトある一文から始まる“女子アナ”物語。女は生まれた時から“美醜”で周囲の対応がそれなりに違い。自分の生き方を見計らってゆくのにそれ(周囲からの扱われ方)が否応なく指針になり。ましてそれが顕著であるテレビ業界で女性が生き抜くことは強かさだけでは叶わない。華やかに見えても自己顕示欲と嫉妬と策略渦巻く世界。それを濃縮して表現したような小説。登場人物のほとんどが利己的で思いやりがない。“ただそこに居てくれればいい”と認められたかった過去に縛られ続けるか否かは自分次第。
2019/05/20
Mayumi Hoshino
「身体も心も人それぞれ固有のものだし。それが平凡な痛みなのか、すごく特異な痛みなのかなんて、比べられませんよ。傍目に大変そうに見えるかどうかだけで判断するのは、暴力だと思う」。一番響いた台詞です。作中好感が持てたのがルイと金井だけで、その理由が「ねばならぬ」から解放されていて、価値観の押し付けがないからだと思うと、納得がいくと同時に侘しい。女も大変だけど男だって。途中、アリサとルイ・金井の話の噛み合わなさが、すごく苛々したなあ。
2017/07/08
しの
私には、ブスの気持ちがわからない。衝撃の一行目から始まる”女子アナ”をめぐる女たちの熾烈な闘争。はあちゅうさんが薦めていたので手に取ったが、一気に最後まで読んでしまった。欲される自分を演じるアイドルアナ・まなみ。理想と現実の違いに苦しむ地味な元女子アナ・アリサ。そして男と同じ土俵で戦いたいともがく女記者・望美。女性の嫌なところ、だけど誰にもあるところをうまく捉え、突きつけている。あまねく女性に読んでみて欲しいし、男性が読んだ感想も聞いてみたい。まなみは夏樹の神様でいたら、良かったのに。ルイの言葉が印象的。
2016/06/21
ジュリアンヌ
美人と性格の悪い人たちがでてくるお話。こんなどす黒い性格の悪さだったとは…。「女子アナ」という立場を通して女性であることに向き合う作品になっていると思います。
2016/06/25
nyanlay
女子アナ小説とありましたが、それ以上に女同士の嫉妬やらやっかみが渦巻いていて、恐ろしい一冊。本当にこんな世界があるのかはわからないけれど、それぞれの登場人物に似た人間はどっかにいそうだな…と。もしかしたら自分自身が誰かにこう思われているのかもしれませんが。
2016/08/02
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