伊藤くんA to E (幻冬舎文庫)
伊藤くんA to E (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
恋愛周辺における、柚木さんの描写が好みなんだなぁと思う。恋愛してるんだかしてないんだか、持て余してしまう自分の気持ち(私的にはかねがね恋愛というのは思い込みだと思ってる)、自分に気持ちが向いてないとわかっている相手を追いかけてしまう理不尽、女同士の友情の、ビミョーなバランス。最後までこの調子でいくのかと思いきや、ラストはなんだか別作品のような無情さ(褒めてる)。柚木さん、ますます目の離せない作家さんです。
2017/10/21
どんふぁん
2019年8月12日読了。伊藤くん何様なんや?伊藤くんにイライラして終わりました。5人の女をこれでもかと振り回して、男として情けない人やね。見てて悲しい。女側もイライラする人多くて、もやしな人が多くでてきた作品だと思いました。
2019/08/12
さてさて
『四人(実際には五人)それぞれの視点で一人の男を描くのって斬新だし面白いそうじゃないですか?』という発想で描かれたこの作品。人はいつも”自分の物語”の中では主人公であり続けます。では、そんな自分に関わる人たちの視点から自分を見たとしたら自分はどのように見えるのか、そんな視点で描かれたこの作品。影の主人公である伊藤君は、それぞれの短編の主人公を映す鏡でもありました。伊藤君との関わりを経て前を向いていく主人公に明日を感じることのできたこの作品。五人の主人公たちに幸あれと、エールを送りたくなるそんな作品でした。
2020/09/11
SJW
ハンサムで知識豊富だが、自意識過剰で無神経の伊藤くん。彼の周りの5人の女性から伊藤くんをそれぞれの視点から描いた話。登場する男性と女性には共感するところはなく、性描写のど嫌悪感ばかりで不愉快。自分と似ていれば鏡に見るようで感じるところがあるかもしれない。これが柚木さんの初の直木賞ノミネートと言うのでかなり驚いた。驚いたのは、ヒルズに通っていた時、乃木坂駅への途中にある六本木トンネルにいたホームレスの人に何度か食べ物を提供したが、多分同じ人が描かれていた。残念なことに臭い汚いなどの否定的な言葉しかなかった。
2019/08/17
yoshida
外見が良くプライドが高い伊藤くん。彼に関わった5人の女性達を通し、それぞれの内面の動きと気付きがある。私は生きることは闘うことだと思う。自分なりの考えがある、やりたいことがある。それを通す為には、他者と繋がり、時には衝突することもある。社会は自分だけで完結する訳ではないからだ。無論、傷つけ、傷つけられることもある。その痛み、痛みの先にある歓びが生きていることと思う。伊藤くんは傷つきたくないから闘わない。傍観者で何も為そうとしない。それは生きているとは言えない。伊藤くんもその立ち位置から、早く離れて欲しい。
2021/06/19
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