愛を振り込む (幻冬舎文庫)
愛を振り込む (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
さすがR18文学賞受賞者の蛭田さん、かなりパンチのキイてる連作短編集です。エロさもほどほどながら、出てくる男女のどいつもこいつもひとクセもふたクセもある、ダメっぷりがホントに滑稽です。でも不思議とそのキャラ達をキライにはなれないんですよね〜。個人的には『カフェ女とつけ麺男』がダントツで気に入りました。とにかくタフ?な'カフェ女'にすっかりハマってしまいました。出てくる女性達は可哀想と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、なんだかんだと前向きに生きていこうとする姿勢にドコか愛着?を感じてしまいました。
2019/12/09
じいじ
女流作家の登竜門に〈R-18文学賞〉がある。歴史は浅いが受賞者には、宮木あや子、窪美澄、彩瀬まる、田中兆子など最近注目の人気作家が顔を連ねる。本作の著者も、第7回時の選考委員・角田光代らによって選ばれた一人。さて、本作はいろいろ人生に問題をかかえた6人の女の連作物語。6話の登場人物、設定が違うので飽きずに面白く読める。6話が赤い指紋のついた千円札で繋がっていくのがユニーク。解説の窪美澄が「R-18文学賞の小説家は文章がうまい、もっと注目されてもいい」と身内褒め?しているが、強ち間違ってはいないと思う。
2017/05/03
aki☆
人の物ばかり欲しがる女、パトロンに捨てられ芸能界も引退し実家に帰った女、自分より「下」のブロガーを慰めに生きる女、など6人の女性の短編集。男を騙し騙されの性愛が絡められ、共感出来る主人公皆無で自業自得な部分も痛いも部分もあったけど、でも変わりたい、前に進みたいという足掻きや必死さは感じられ読後感も悪くなく面白かった。でも男は最低な奴が多かったな(`‐ω‐´)
2020/12/05
まさきち
現状に何かしら問題を抱え、でもどうしていいのかわからず悶々と暮らしている6人の女性の話を集めた6編+エピローグからなる短編集。そんな彼女たちがさらに泥沼にはまりそうな出来事に見舞われながら、最後には前向きになっている姿になにやらすがすがしいものを感じた一冊。一番スカッとしたのはやっぱりエピローグでしたかね。
2017/09/08
えりこんぐ
蛭田さんを読むのは『フィッターX〜』以来の2冊目かな? 6話の短編集。それそれの主人公の女達が、もれなく病んでいる。歪んでいる。「となりの芝生はピンク」に出てくる、人のものを欲しがる女、あぁ、わかる、いたいた。服やシャーペンならまだしも、絶対男まで欲しがるのはなぜ。どれもうわぁ...な女達なのに、読後感はズドンとならない不思議な感じ。R-18作家さんらしい描写も山盛りだった。【積読54】
2020/07/28
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