長くなるのでまたにする。 (幻冬舎文庫)
長くなるのでまたにする。 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
中玉ケビン砂糖
訃報の届いた著者の棚で「今こそ!」とばかりに積まれまくられている昔の本を見ることほど、やるせない気分になるものはない。大昔授業に潜って、手製の「興味関心領域マップ(象限を4つに区切り、今のAIが抽出するようなワードを縦横無尽に貼ったもの)」を眺めては仲間内でニヤニヤしていた頃が懐かしい。ちょうどその折も、「ポップ神」こと川勝正幸さんの訃報を残念がっていた記憶がある。小田嶋隆、渡辺京二、加賀乙彦、直近では北上次郎氏。書物を愛する名伯楽がまたひとりいなくなり慨嘆。「また」の機会はなくなってしまいましたね。
2023/02/08
メタボン
☆☆☆☆ やはり宮沢章夫の脱力系エッセイは面白い。ところどころ、プフッと笑かされる。今回のスタイルは「ルート〇〇」として区切られ、各ルートに3つのお題がある。3つのお題がつながっているときもあるし、脈絡がないときもある。この自由奔放さが、くだらなくも楽しい。
2020/04/13
阿部義彦
私もどうかしているが、あなたもどうかしていると指摘された好き者には堪らない駄文の数々を堪能。 馬の映画はあるのに何故牛の映画はないのか?ごもっともな疑問です宮沢さん、でもロック界には立派な超有名な牛のジャケット(見返り牛)が御座います。ピンク・フロイドの道は牛への道なり!なんちゃって。今回も「純粋罰ゲームへの道」「無理心中日本の夏」「使ってみたい武士の日本語」などなどの宮沢ファンなら当然の愕然ネタが満載です。亡くなった川勝さんに関する追悼文なども読み応えがありました。そんなこんなで長くなるのでまたにする。
2017/12/16
しゅん
空転に次ぐ空転。京王線新宿から八王子までの40分を「旅」だと言い張る著者のように、この本の解決と意味のなさと突然の幕切れの連続を「人生」だと言い切ってしまいたくなる。あっという間に読んでしまったが、一つ一つ思い出したように読み直す気がする。しない気もする。
2019/02/25
あおいそら
初読み作家さん。ただただ、バカバカしい話がループのごとくエンドレスに続いていく。章立てではなく、歩んで進むみたいに「ルート」と題され展開されてくんだけれど、同じルートの中に同じような話題がカテゴライズされているかというと、ノー!もう、色んな事へ話が飛ぶ。「牛がやたらと登場するよね」と解説者の家庭教師先の生徒さんが指摘したとおり、出てくる!普通のエッセイではないけれど、とても中毒性のあるジワジワと良さが分かるエッセイで、私は好き。
2021/03/03
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