橋本治のかけこみ人生相談 (幻冬舎文庫)
橋本治のかけこみ人生相談 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
いつでも母さん
あっさり、ざっくり切り捨てる!のではなくて、実に相談者の言葉を噛み砕き、これでもかと噛み残しの無いほど丁寧に斬った!感じの人生相談だった。「幸福そうな他人を羨むのはバカらしい」・・はい!ぐうの音も出ないです。
2018/12/14
さらば火野正平・寺
私は十代の頃、橋本治の『青空人生相談所』を読んでショックを受けた。その解答に深く傷付いて、長らくトラウマみたいになった。かえって橋本治に屈服した気持ちになり、多少卑屈な気持ちでその著作を何冊も読んでみた。私が二十代の頃、今は無き漫画週刊誌『ヤングサンデー』で橋本治は『101匹あんちゃん大行進』なる人生相談の連載を始め、読者からの性的マイノリティ差別投稿に激しく動揺し、連載が突如中断した(編集部も連絡が取れなかったらしい)のをいまだに記憶している。そんな事件があり、ようやく橋本治を普通に好きになった。続く。
2021/04/23
キク
「世間の幸せそうな人間は大体バカだ」と言う。「だから幸せそうな他人を羨むのはバカらしい」「自分があまり幸せじゃないと思ったら、思い切ってバカになるのもいい」と言う。他人との比較からは、幸せにはたどり着かないって事なんだと思う。僕は子供ができるまで「自分が幸せかどうか」ということに全然興味がなかったし、判断基準にも入れていなかった。それよりも「自分が公正かどうか」「自分とは何者なのか」ということが大事だった。でも、家族のために自分が幸福であることって、絶対に大事だと考えるようになった。背中で見せなきゃな。
2021/04/03
くさてる
私はいわゆる人生相談を読むのが好きなのですが、なかでも30代の橋本治が書いた「青空人生相談所」がフェイバリットでした。この本は、それからずいぶん時間がたち、60代も後半となった橋本治による人生相談本です。基本の姿勢は変わっていない。相談者があえて見ないようにしている問題の核の部分を「あなたは本当はこう思ってるんじゃないですか?」と指摘するあたりは容赦ない。けれど、その語り口はずいぶん柔和になっていて、わたしはそこに橋本さんの優しさを見た。良い本です。
2020/02/08
阿部義彦
橋本治さんが幻冬舎plusで連載していた人生相談をまとめたものです。凄いです、文体がすごく丁寧で優しいです。(勿論橋本治比です。) 内容もすごく真っ当ですごく腑に落ちます。逆に私はいつもの橋本節を期待してあてが外れてあらら!ってな感じかも。こんな文章も書けるんですね。普通に良書でした。『幸福そうに見える人間は大体バカだ!』素晴らしいお言葉です。
2018/12/09
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