消滅 VANISHING POINT (下) (幻冬舎文庫)
消滅 VANISHING POINT (下) (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
ちょろこ
エンタメ感溢れる、一冊。テロリストは誰?何を消滅させるの?上巻に引き続き興味は尽きなかった。「孤独な肺炎」はタイムリーだし、それぞれの視点で人物像を分析するシーンは誰もが見事に怪しくて面白い。そして緊迫した状況なのにどこかゆるっと脱力感を感じさせるところ、この緩急が良いアクセントになっていて飽きなかった。そして気がつけばあっという間のラスト。意外感でいっぱい。この「消滅」の着眼点と発想は面白かったな。恩田さんのエンタメ感溢れる空港を舞台にしたドロン、最後まで楽しめた。
2020/03/24
yoshida
「消滅」の意味合い。実現されれば、画期的な事象で一気に拡大するだろう。それはさておき、テロリスト容疑をかけられた人々の展開は何だったのか。空港で起きた爆発やら、意味深な伏線は数々あったが回収しきれなかったのだろう。最後に様々な謎が明かされる。物語を膨らませただけに、その収束は期待外れとも言える。そもそも、これだけ多くの登場人物が必要だったのか。同じくエンタメで登場人物の多い「ドミノ」の方が圧倒的に面白い。あくまで私にとってだが、眠たい読書時間となってしまった。残念。
2021/09/12
NADIA
テロリストの疑いがあるとして国際空港の入管で足止めを食ったまま一夜を過ごすことになった10人。我慢も限界だが、事態は重くなるばかり。テロリストは10人の中の誰なのか?目的はいったい?? 状況の重さの割に軽く読み進められ、最後の結末まで面白かった。恩田作品にはぼんやりとフェードアウトするようなラストを迎え物足りなさを感じる物語も多いが、この作品はびしっと結末が決まっていて、そこもとても良かった。やっぱりキャスリンが一番印象深い。別の物語に登場したりすると面白いな。
2020/12/17
annzuhime
スリリングな展開に比べて、結末は軽かったかな。恩田さんらしくなく、綺麗にまとめられた結末でした笑。でも途中の混沌としたドキドキ感はさすがの恩田節。この世界観から途中で抜け出すことができない楽しさがたまらなく好みです。結末は軽かったけど、楽しみました。
2019/03/18
rio
テロリストの正体が掴めぬまま、北米からの帰国者に新型肺炎感染の疑いが生じる。閉鎖された空間の中で疲労が限界を迎えたとき真実が明らかとなるサスペンス。膠着状態が継続し、緊張感高まる様子をほぼ会話と心理描写だけで表現する手法は流石でした。キャスリンの不穏な雰囲気と相俟って、誰もが怪しく見えてきた中、ついに真相が暴かれるときはドキドキしました。結末に関しては賛否両論ありそうな形でしたが、全体を通して考えると面白かったのかなと思います。
2019/06/29
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