蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)
蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
なんとも魅力的なタイトル。それぞれが何のシンボル、もしくは隠喩であるのかはわからないが、不思議な郷愁を誘われる響きである。物語は、4人の主要なコンテスタントを軸にひたすらに芳ヶ江ピアノコンクールの模様を追跡してゆく。各人のエピソードは語られはするものの、基本的にはコンクールでの演奏そのものが描かれる。それでいて、読者を飽きさせたり退屈させることなく、このページ数を語っていく恩田陸の筆力はたいしたもの。読んでいる私たちもコンテストに臨場し、いつしかピアニストたちに同化していく。実にスリリングな読書である。
2023/11/02
kou
明石、亜夜、マサル、塵・・・どの登場人物も活き活きと描かれており、面白かった。演奏シーンは、クラシックは詳しくないが、頭の中に勝手に情景が浮かんできて読むのに没頭してしまった。特に塵は、登場する度に強力なインパクトを残していくが、まだ謎が多いので、下巻が楽しみで仕方ない。下巻では、4人の魅力が、さらに引き出されると想うので、早く続きが読みたい!!
2019/08/13
カメ吉
音楽、特にピアノにはまったく知識や教養のないのに読めるんかな?と読み始めてちょっと後悔してけど杞憂でした。分からないなりにも読んでくうちにドンドン惹かれてしまった。4人の天才たちをひとりずつストーリーにしてコンクール出場、一次予選、二次予選を通しそれぞれの立場や思いを描いていて面白かった。その中に出逢いや恋(ほんの少し)もあっていい意味で普通の話で良かった。亜夜、マサル、明石、塵の結末に興味津々のまま下巻へ進みます。
2019/04/22
南北
とにかく読んでいるのが楽しい小説です。ピアノの音を文字で表現するのは難しいはずですが、年齢も経歴も違う4人の登場人物たちの演奏の違いがうまく描かれています。ハードカバーの時は少し乗り遅れてしまったので、文庫版が出るのを待っていました。上巻はピアノコンクールの第2次予選の途中までですが、このまま下巻も読み進めていきたいと思います。
2019/04/19
白いワンコ
「ギフト」たり得る一人の少年と、彼を巡るコンテスタントや関係者たちの濃密な数日間を描いた作品。読みやすく、特に淀みない演奏の描写心地よくて、上巻はあっという間に読了。これから分冊された下巻へと進みます
2019/04/22
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