蜜味の指 (幻冬舎アウトロー文庫)
蜜味の指 (幻冬舎アウトロー文庫) / 感想・レビュー
じいじ
幻冬舎のアウトロー文庫だけに、タイトルも装丁も男心をくすぐる仕上がりになっている。この手の官能小説は、筋立てが詰まらないことが、多多あって期待を裏切られることがある。本作の書き手は、売出中の若手女流で「ストーリーが面白いよ」とのことなので2作品を買ってみた。確かに女性作家ならではのキメ細かい描写で満足した。主人公の若手女流作家が、ある男との性愛に溺れて、自身の性に目覚めていく…という物語。筋に在り来たり感はあるものの、面白かった。もう一作の『蝮の舌』も、近々読んでみたい。
2021/08/05
けいこ
うかみ綾乃さん、初読み。結論から言うと、ちょっと感動した。序盤は主人公の女性官能小説作家のこじらせた日常や男性への冷めた目線で、多くを占める官能部分にもなんの感情も籠っていない。そこから1人の男性と出逢い段々とラストへ向かうにつれ、ただの官能小説から性愛小説に変わっていく筆致に圧倒された。『あの人はいまどうしているんだろう。って想うだけで、情けなくて、惨めで、愛しくって、泣けてしまう』官能小説でキュンキュンするとは思わなかった。
2021/08/02
HMax
【読メエロ部】、頂いたうかみさんの本を固め読みで、少し多めの部活です。「男のある部分を刺激してしまう妖しいあどけなさを持つ官能小説家」とAV助監督の恋の物語。「うーん、これも甘く薫る桜色のようなものかな」と思った読み始めから少し過ぎると、グイグイとストーリに引き込まれ、ちらちらと揺れる心の動きにチクチクと刺激されて、こちらも昔を思い出す爽やかなひと時をありがとう。
2024/01/19
佐藤一臣
まさに性愛小説だった。主人公の男女は、やや拗らせ気味で、内心と表が異なって、相手に誤解を与えてしまっている。多かれ少なかれ、私たちにも共感できる動きだろう。そんな男女がセフレの関係から、素直な相手への気持ちを少しずつ表に出していく感じが良かった。最終的には、イチャイチャしていくあたりをサラッと描いているところもいい。官能部分は、局所的に良い表現はあるものの、難解表現もあって、あんまりそそられる感じではない。女性を落とすには、かなり時間をあらゆるところにかけないといけないのね。勉強になりました。
2020/04/16
rio
この本は世間でどんな評価を受けているのだろう? 色んな人達が、色んな困難と向き合いながら、必死にもがいて生きている感じが伝わってきて、僕は感動してしまった。
2019/09/16
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