凍てつく太陽 (幻冬舎文庫)
凍てつく太陽 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
終戦間際の北海道が舞台。太平洋戦争時、朝鮮や中国辺りから捕虜同然に連れてきた人たちに強いた皇国臣民制!言葉や文化、本名さえ奪われる。蔓延る差別は尋常じゃない。特高警察の主人公八尋も、御国のため懸命に働くが、アイヌというだけで『土人』扱い、きな臭い殺人事件の犯人にでっち上げられ網走刑務所に。役人・憲兵・特高警察という魑魅魍魎たちの傲慢にして身勝手な言動、戦況を覆す謎の兵器開発。相次ぐ軍事機密に纏わる不可解な殺人事件、杳として行方の分からぬ容疑者と女!盛り沢山で大ドンデンのジェットコースターストーリー‼️🙇
2020/08/25
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
葉真中さん初読みですが、なかなか読み応えあり。終戦間際の根室を舞台に、「特高」として活動するアイヌの男の姿を描く。潜伏捜査から拷問、逃亡、軍部と金…。展開も早くエンタメ要素てんこ盛りだが、著者の作風なのだろうかそこそこ重めの筆致で上滑ることもなくじっくり読ませてくれる。何が起こるか分からない結末に向けて、そこに至る経過を楽しむ作品だと思う。嫌いな作風ではない。他の作品も読まなくちゃ。
2020/11/28
イアン
★★★★★★★★★★ミステリ二冠に輝いた葉真中顕の長編。アイヌをルーツに持つ特高刑事・日崎八尋は、身に覚えのない連続毒殺事件で投獄される。殺害現場に残された血文字。その裏には〝カンナカムイ〟と呼ばれる軍事機密があった…。謎の暗殺者・スルクとは何者なのか。室蘭に昇る第3の太陽とは。650ページを超える長編だが、潜入捜査、連続殺人、脱獄、軍事機密の追及と目まぐるしくフェーズが切り替わるため、冗長さを全く感じさせない。それでいてミステリとしての意外性も併せ持つ傑作。八尋の正義感を象徴するようなラストが実に粋だ。
2024/03/06
H!deking
ぐお、めちゃくちゃ面白かった!待ちに待った文庫化です。今年の暫定ベストテン入り決定。舞台は終戦間際の北海道・室蘭。ここで起こる殺人事件。冤罪で逮捕された特高刑事の八尋。どうするの?どうなるの?的なお話。ヤバいですこれは。何を書いてもネタバレになるので、ぜひ読んでください!やっぱり葉真中さんすげーっす。おすすめ!
2020/08/26
アッシュ姉
分厚いので持ち歩けなくて時間かかってしまったけど、長編大作読了の達成感に浸っております。読み応えだけでも充分なのに終盤予想もしなかった展開が!これだから葉真中作品はやめられません。
2022/11/13
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