家康<二> 三方ヶ原の戦い (幻冬舎時代小説文庫)
家康<二> 三方ヶ原の戦い (幻冬舎時代小説文庫) / 感想・レビュー
ちょろこ
家康の人生、二巻の一冊。信長との同盟を結び、次第に己の地位を揺るぎないものにしようとステップアップ中の家康。負けず嫌いの彼にまたしても幾多もの決断の壁が立ちはだかる。その最大の壁は信長もビビる武田信玄。何をどうすれば己を守れるか、練りに練っていく過程、胸の内が丁寧に描かれ、三方ヶ原の戦いまでの細かい経緯が知れて良かった。一か八かの賭けのような覚悟をしたためた信長への書状、迎えた最大のピンチまで、家康の緊張感がハンパない。家臣に、馬の松風に泣けた。見事な敗北。全てがここから…家臣への想いと新たな決意が良い。
2023/02/21
ぱるる
家康27歳から31歳。三方ヶ原の戦いで身代わりになってくれた家臣のおかげで傷を負いながらも何とか生き延びた家康。負け戦の度に強く生まれ変わっていく。だれでも自由で豊かに生きられる国「厭離穢土、極楽浄土」を目指して。この物語には要所要所で女性が登場し家康を助ける。一巻では祖母の源応院、今回は源応院の孫ではとこのお万。男に従いながらも強い意志を持って行動している女性たちの描き方が好ましい。
2023/01/12
Kiyoshi Utsugi
安部龍太郎の「家康(ニ) 三方ヶ原の戦い」を読了しました。今川氏真の代で、今川氏が滅びるところから始まって、姉川の戦い、三方ヶ原の戦いまでを描いています。 やはりお市の方と家康の関係が、安部龍太郎独特の解釈なので面白い。 このあと、どのような展開になっていくのか楽しみ。
2022/11/01
えみ
『家康』第二巻。前作では人質だった今川方から事実上解放され、織田信長と同盟を結んだ家康。今作は三河一国を手に入れてから、姉川の戦い、武田信玄に大敗した三方ヶ原の戦い、と歴史的に有名な戦いが躍動感たっぷりに描かれている。武将達の知略戦に唸り、家臣の忠義を貫き散っていく様に心震わせ、弱き己を自覚しそれを受け止め強さを探求する家康の葛藤と苦悩に心を寄せた。強いだけじゃ生き残れない戦乱の世で、最後の覇者となった家康が何を考えどう決意してきたのか。限りなく史実に近い戦国時代とその武将達の動向が楽しめる大河歴史小説。
2020/08/13
だまし売りNo
信長は佐久間信盛を家康救援のために派遣するが、武田信玄と正面から戦うには少ない兵力であった。信玄は三方ヶ原の戦いで徳川・織田連合軍を一蹴する。通説は、信盛ら織田勢は籠城を主張したが、武田軍の素通りに怒った家康が出陣したとする。 これに対して少数説は信長も大軍を率いて浜松城の後詰めに出陣したとする。信玄は直接信長の攻撃に向かい、織田勢を救援するために家康は出陣した。信盛らは織田の本隊を救援するために家康の出陣を求め、逆に家康が出陣しなければ織田への裏切りとみなされる状況であった。
2021/11/28
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