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ありえないほどうるさいオルゴール店 (幻冬舎文庫)

ありえないほどうるさいオルゴール店 (幻冬舎文庫)

ありえないほどうるさいオルゴール店 (幻冬舎文庫)

作家
瀧羽麻子
出版社
幻冬舎
発売日
2021-02-04
ISBN
9784344430624
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ありえないほどうるさいオルゴール店 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー

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心の中に流れる曲をオルゴールでオーダーメイドしてくれるお店が舞台のオムニバス小説。私もオルゴールを作ってもらいたくなりました。どれもほっこり、少し悲しさもある話でした。『おさきに』が1番切ないけれど素敵な話。長年連れ添った家族が大きな病気をし、それまでの生活と同じにはいかなくなる恐怖があるけれど同時に相手の大切さも身に染みる。数年前なら恋愛系の『はなうた』が良いと思っただろうけれど、年を重ねた今は家族の話がじんとくる。それぞれの主人公の未来、オルゴール店のお兄さんの未来が気になりました。

2021/05/21

のぶ

タイトルに“ありえないほどうるさい“とあるのに、全然うるさくないオルゴール店をそれぞれの作品に取り込んだ、7つの人間模様を描いた短編集。立場はそれぞれだけど、どれも心に沁み込んでくるものだった。登場人物は誰も悩みや事情を抱えている。そんな時に街で出会ったオルゴール店。店主は押し付けがましくなく、こんな状況でこんな店を見つけたら誰もが癒されるだろう。訪れる人々の、さわやかでちょっと切ない青春の話から、亡き父の思いに心打たれる親子の話まで、落ち着いた世界の雰囲気がたまらないものばかりだった。

2021/02/18

エドワード

運河のある町に佇むオルゴール店。ここの店員は「お客様の心に流れている音楽」のオルゴールを作ることが出来る。本人に言わせれば、世の中はものすごい量の音楽があふれていて、補聴器のような器具でコントロールしているという。なるほど、男性が彼女にオルゴールを贈ろうとして、昔の彼女の恋の思い出の曲が流れてしまう場面がその仕組みをよく表している。「おそろい」のバンド仲間、「バイエル」の少女、「おさきに」の老夫婦、みな心に染みるね。私の一番は、耳の聞こえない幼児の心に流れている音楽が母親の子守唄という「よりみち」だね。

2021/04/16

http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-e5af77.html オルゴールにまつわる短編集です。漁師の父親と相容れず、東京へ出ていた主人公が、父の法事で帰郷する【ふるさと】と、音楽の才がありながら、素朴な原点に立ち返る【バイエル】が好きだったかな。

2023/07/14

katsubek

はじめは本当にふわっとして、言わば「エチュード」のようなものかと思わせる。それが途中から、ウ~ンとうならせる展開に。連作の短篇であり、ファンタジーであり、ミステリーでもあり。タイトルの意味が明かされたとき、上手だなと感心させられる。お話としては三つ目が好みだが、最終話も素晴らしい。いやいや、どの話もとても美しい。仮名四文字の章題も、優しく、また、それぞれに工夫が凝らされているのが楽しい。続きが出ているようだ。試してみようではないか。

2021/12/07

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