ブランケット・ブルームの星型乗車券 (幻冬舎文庫)
ブランケット・ブルームの星型乗車券 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
「ブランケット・シティ」に行きたくなる本。あの安野光雅さんの本にちょっと似た感触もあるが、徹底して日本の日常から遠ざかって、架空の、とにかくここではない町に連れて行ってくれる。なんだか心まで洗濯してくれたみたいだ。読書に疲れた目にもやさしい、黒地に線画のイラストページとあいまって、洗練された都会生活を思わせる。物語のようなエッセイのような、不思議な世界からの通信がはさみこまれる。ラストにある、デイリー・ブランケット紙のコピー? の仕掛けがほほえましい。架空の町を作り上げるなら、ここまで芸が細かくないとね。
2022/11/09
aoringo
ブランケットシティという架空の街の紙面に綴られたコラム、という名の掌編。普通にありそうで少し変わったこの街。いささか風変わりだけど、そこで生活している人達はどこかのんきでのんびりしている。なんか幸福度高そう。時間の流れもゆっくりな気がして、しばしの現実逃避を味わえた。静かな冬の夜によく似合う作品だった。
2024/11/22
おうち時間
吉田さんの本は寝しなに少しずつ読むのがおすすめの本が多いのですが、こちらもそんな1冊です。毛布をかぶった寒がりの街「ブランケット・シティ」に住む27歳のブランケット・ブルーム君の書く連載コラム、その名も〈ブランケット・ブルームの星型乗車券〉名前だけでワクワクしますね。ファンタジーな内容は勿論のこと、コラムの内容ごとに描かれている吉田さんのイラストも可愛らしくて癒やされます。そしてこの本の最後の付録も凝っていて楽しめます。また時間を置いて繰り返し読んでみるのも良いかも。頭が疲れて寝付けない夜におすすめです。
2024/05/11
まさ
吉田篤弘さんの架空コラム集。1つ1つが短いのですぐに読めるのだけど、想像が広がるのでたっぷりと楽しめる。読みながらそうそう~と現実にあるように思えてしまうのは、吉田さんの世界ならでは。星型乗車券を持ってこの街を訪ねてみたくなるなぁ。
2021/10/12
コジ
★★★★★ あくまで個人的な印象だが、吉田篤弘さんの作品は青年を主人公に据えた作品が「良い仕上がり」な印象。本書も架空の町ブランケット・シティの架空の新聞社デイリー・ブランケットで初めてコラムを担当することになった駆け出し記者のブランケット・ブルームくんが主人公。コーヒー片手に本を開けばブルームくんと共に町のさまざまな出来事や人々に出会う旅が始まる。そしてこのふんわりとした安堵感を与えてくれる文章と装丁はまさに吉田篤弘&クラフト・エヴィング商會。
2021/12/27
感想・レビューをもっと見る