雨に消えた向日葵 (幻冬舎文庫)
雨に消えた向日葵 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
いつでも母さん
正直こういう事件は苦しくて苦しくて、心が痛くてやり切れない。小5女子が失踪・・家族の苦悩と警察の捜査が進むがお宮入りか?私の頭もそう過った。長い地道な捜査が続き些細な事から急転直下、犯人逮捕に無事救出と胸をなでおろすが、実際は悲惨な結末も多いのを報道で知っている。捜査に当たった奈良刑事自身も、妹が過去に傷ついた事件で苦しさを抱えているのも切ない。身体全部で怒りの熱が沸々とした読書だった。今さらだが奈良刑事シリーズはここから始まったのね。吉川英梨さんが好きだと再確認した次第。
2023/05/10
fwhd8325
とても面白い。少女誘拐事件が軸なのだが、ある種被害者家族のドキュメントの要素もあり、読み応え十分の作品でした。各章に付けられている物語の展開を予想せずに絶妙なものとなっている。値が単純な私は、最悪な事態を頭の隅に置きながらも残りページの量を考えると、一体どうなるのか、ハラハラしていました。ラストは、電車の中で浪板と嗚咽を堪えました。
2023/08/23
H!deking
いまさら初読みの吉川さん。気にはなっていたもののなかなか手に取る機会がなかったのですが、サイン本見つけたので捕獲。いやこれなかなかですね。好みど真ん中でした。ある雨の日に突然失踪した小五の葵ちゃん。事件?事故?可能性は無限。捜査にあたる警察の目線と家族の目線で物語は進んで行きます。そして葵ちゃんは死んでるの?生きてるの?どうなの!!的なお話。他の方のレビューを見るとドラマ化もされているみたいです。吉川さん追いかけるかな~!
2022/10/03
ま~くん
豪雨に煙る学校正面の一本道。町でも有名な美少女小学5年生の葵が下校途中で忽然と姿を消す。担任の教師、町の不良、OBの中学生、子供を救うNPO法人代表、強姦未遂の前歴があるフリーター、葵の所有物の発見者等、容疑者が次々に捜査線上に浮上。不幸な過去を背負う妹がいる奈良刑事は一人一人に接触していく。娘の無事を祈り続ける葵の家族に容赦なく浴びせられる誹謗中傷。誘拐事件発生から3年後、警察はほんの些細な聞き込みから犯人を追い詰めるきっかけを掴む。読了後に「そんな証言あったか?」とあなたも見直すこと間違い無し!?。
2023/05/28
いわし
雨の日にいなくなった小5の少女。事件なのかどうかもわからぬまま続けられる捜査。手掛かりは乏しく、ジリジリと時間は過ぎる焦燥感。少女やその家族へ向けられる奇異な視線。近い人間ほど激流に飲まれるように生活が変わってしまう一方で、捜査状況の平坦さがもどかしく、妙なリアリティーを感じる。ただ、それぞれのエピソードの必然性や繋がりが感じられず、物語の輪郭が掴めないまま不快さが印象に残ってしまった気がする。まぁこれは読むタイミングが悪かった、何も未解決少女誘拐事件を描いた傑作『64』、『慈雨』と同時期じゃなくても。
2022/12/26
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