猿神 (幻冬舎文庫 お 5-6)
猿神 (幻冬舎文庫 お 5-6) / 感想・レビュー
HANA
日本中がバブルで沸き返っていた1989年。そんな熱狂とはかけ離れたところにある自動車工場。そこで起きた「事件」を語る一冊。読む前は題名からもう少し土俗的なホラーを想像していたのだが、それとはかけ離れた内容であった。ひたすらに仕事に生活と人生を食いつぶされる人々に、読んでいるこちらも鬱々とした気分になってくる事請け合いである。現在の派遣やブラック企業の話読んでるみたいで、バブル期とは思えないんだよなあ。違うのは派遣がエリート扱いな部分だけで。登場人物全てがゆっくり狂っていくエピソードの数々、面白い本でした。
2022/10/18
くろねこ
あんなにデカデカと表紙を飾り、タイトルにもなっているにも関わらず、ほぼNO猿という衝撃たるや…。 呪いなんて不確かなものよりも、ブラック企業が圧倒的に恐ろしい…そういうお話(ちょっとちがう)。
2023/04/06
ψ根無し草
人ならざるもののオカルトとしてのホラー、ブラック企業の創業形態と言う社会的なホラー、ブラック現場で働く人たちの病みと言う人的、精神的なホラーをすべて取り入れていると言うだけでも凄いのに、まさかのクローズドサークルの発想が更に凄かった。コンパクトにまとめ過ぎていて早送りみたいな展開だったのは残念。容量倍で上下巻くらいのボリュームだったら更に面白かったかも。
2022/10/29
深月
整理整頓清掃清潔躾!チェックシートはその都度纏めてチェックだけ入れない!ギリギリの製品でも作れないんじゃなくて作る!不良品の検品で疲労困憊でも日付け跨いでも今日の生産が終わるまでが今日の作業です!生産ラインは止めない!ストレスが多い職場、ぎくしゃくする人間関係、ざわざわするナニカ、笹の成長。猿神の警告か環境のせいか。怪しい人は怪しい。歯車にもなれない指示されているから働く人。しんどい
2023/09/22
なつなみ
バブル時代のブラック企業。自動車部品の下請け会社で起こるのは社員のトラブル、自殺。しかし何があってもラインを止めない。ホラー以上に怖い現実を目の当たりにして笑えない。怖さの種類は違うけど、これは確実に怖い本。
2022/10/30
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