〈あの絵〉のまえで (幻冬舎文庫 は 25-6)
〈あの絵〉のまえで (幻冬舎文庫 は 25-6) / 感想・レビュー
ミカママ
大好物なほうのマハさん(笑)ほのぼのあったかいエピあり、絵画あり、美術館とその周辺の街並みあり。まさにマハさんじゃなきゃ!的な。わたし自身は残念ながら美術館へ足を運ぶ習慣のない家庭で育ったが、初めて級友に誘われて行った国立西洋美術館の衝撃は忘れられない。美術館に日常的に足を運ぶ習慣のある彼女たちと自分との格差を痛切に感じた瞬間でもあった。美術館というとそんなことを思い出す。今作中紹介された作品のなかで、おそらくクリムトはコロナ前の西洋美術館で観ていると思う。ほかも順次訪ねてみたいものだ。
2024/10/10
bunmei
今年、最初のレビュー。人生に傷ついて心が折れそうになった人々が、また新たな一歩を歩み始めようとする、胸が熱くなる物語。そんなヒューマン・タッチなエピソードが、6つ掲載された短編集。マハ作品らしく、アート小説としての楽しみも兼ねて、各エピソードに、ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、クリムト、東山魁夷、モネの6枚の絵画を寄り添わせている。いつもの様に、スマホで登場する絵画を検索して、改めてその味わいにも浸りながら読み進めた。著者が紡ぐ言葉の優しさや憂いというものが、残照のように心の奥深くに沈み込んで来る作品。
2023/01/05
Sato19601027
すっかり涙腺が弱くなってしまった。原田マハさんのとてもとても優しい小説に涙が止まらない。美術館に掛かっている一枚の絵の前に、ここまで来た背景のドラマを想い、絵を見て、感動して、明日への一歩を踏み出す。絵画をモチーフとした6つの短編、そのひとつひとつが心に沁みる。「ドービニーの庭/鳥籠/砂糖壷、梨とテーブルクロス/オイゲニア・プリマフェージの肖像/白馬の森/睡蓮」の6作品が、それぞれの短編を彩っている。美術館に一緒に行った大切な人との思い出、懐かしい友の顔、逝ってしまった人。周りの人に優しくしたいと思った。
2024/09/18
とし
〈あの絵〉のまえで。気持ちよく読み終えました、地中美術館へ行ってみたいです。
2023/01/17
エドワード
日本中に多くの美術館がある。世界の名画が鑑賞できる。普段は感じないが、実は驚くべきことではなかろうか。広島、岡山、箱根、豊田、長野、そして直島。この中で訪れたことがあるのは岡山の大原美術館だけだけど、その環境の良さ、展示作品の立派さには感動した。日々の生活や夢を追って進み続ける日常の中で、ふとしたきっかけで鑑賞した絵画に力をもらう。疲れが吹き飛ぶ。そういうことは、確かに、ある。音楽も、そうだ。広島市のゴッホ。豊田市のクリムト。いつか観てみたい。東山魁夷の「白馬の森」の章は息子が親に先立つ話で悲しかったよ。
2022/12/22
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