みがわり (幻冬舎文庫 あ 41-3)
みがわり (幻冬舎文庫 あ 41-3) / 感想・レビュー
エドワード
小説家の遠州律は、サイン会に来た女性、九鬼梗子から律が亡き姉・百合と瓜二つなことに運命を感じ、百合の伝記の執筆を依頼される。梗子の話だけではなく、姉妹を育てた伯母のことなどを取材すると、意外な事実―作文コンクール、伯母の恋人のパン屋―が判る。軽快な前半に比して、後半は謎めく。姉妹は本当に仲がよかったのか?百合は本当に死んだのか?梗子の夫、青磁の不審な行動、梗子の娘、沙羅の意味深な言葉。フランス語ではストーリーもヒストリーも同じhistoireだ。「ウリ坊姉妹物語」の作者は誰?精緻な文章と巧みな構成が光る。
2023/05/02
ゆきらぱ
青山七恵さんを続けて読む。毎回作風が変わる。さてこれは、どうなのだろう?私の読む力が無いのだろうか、うーむさっぱりわからず。
2023/07/30
miu
死んだ姉にそっくりだと言って近づいてきて女。なかなか書けない小説家のわたしに、姉の物語を書いてくれと依頼する女。わたしは姉に成り代わって書くべきなのか、何を真実として物語を紡ぐのか。何とも不思議なみがわりの世界へようこそ。皆誰かを失い、誰かでその穴を埋めるかのように生きている。このみがわりループから読了後も抜け出せずにいる。
2023/04/12
次へ
作中の小説と現実世界の境界が段々曖昧になるのが面白い!と思って読んでましたが、最後には、え?そっからですか?と意表を突かれました。さて、梗子は今、どんな物語を生み出しているのだろうか。
2023/04/10
桃崎とか
話自体、先が気になるような展開ばかりではないのに、文の上手さで読ませられてしまう。最後まで読んでみて驚きと、テーマがしっかりと書かれていて、読み始めた時と打って変わって面白かったという感想。調べてみたら芥川賞とっている作家で、そりゃ上手いわけだと感嘆。
2023/11/25
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