MR(上) (幻冬舎文庫 く 7-10)
MR(上) (幻冬舎文庫 く 7-10) / 感想・レビュー
W-G
もっとガッシリした長編だと思っていたら、連作短編のような滑り出し。それはそれでまずまず面白いが、中盤以降のバスター5の話しになってからが本領発揮。中身が濃いとは言い難いものの、スルスル気持ちいいテンポで読める。見も蓋もないことを言ってしまえば、稚拙な嘘を暴いてひっくり返すだけの話なので、難易度が高いほどカタルシスも増す訳だが、その辺りがやけにシンプルな作りで、良く言えば広い読者に分かりやすく、悪く言えばこの手の作品をたくさん読んでいると物足りない。下巻でまた違ったトラブルがあるようなので、まだ評価は保留。
2023/04/17
カブ
著者、久坂部羊氏の医療物は面白い。今作も文庫で上下巻だけどきっとサクサク読めてしまうだろうとの予想に違わず面白い。薬の営業ってプロパーって言ってなかったかしら?今はMRっていうんだ...から始まってどんどん引き込まれる。下巻も楽しむ。
2023/04/13
みこ
大阪の製薬会社を舞台にMRたちの奮闘を描く。主人公サイドの善と敵役サイドの悪がかなり極端に色分けされていて、池井戸潤作品を読んでいるかのよう。はじめは小さな事件の積み重ねが物語全体の大きな流れにつながっていく様子も池井戸作品で読んだ気がする。元々良い意味で作風が安定しない作家だけに今作はそれなりに意識して書いたのだろう。
2023/05/26
Y.yamabuki
上巻冒頭より数章は、助走と言ったところ。トラブルを通じて、MRと医者の関係を描き、若手MRの紹介にもなっている。ここに登場する医者の余りの酷さに絶句。けれど社内でのMR同士の会話も患者側からみると余り気持ちのいいものではない。患者ファーストと言いながら、MRは会社の利益、医者は自分の実績が気になる。それも当然なことで、難しいところなんだろう。その後本題と言える所長の紀尾中の案件になると俄然面白くなってくる。
2023/06/27
ゲバオ
大好きな久坂部作品。 今回は国内製薬会社の大阪の営業所のMRたちの話。 前半は登場人物紹介も兼ねてMRあるあるというか、Dr相手の営業あるあるで話が進む。 後半は主人公たちの会社の新薬のガイドライン申請を巡って ライバル会社のMRの妨害工作やKOLを中心としたDrたちの思惑に巻き込まれつつ奮闘するといった話。 前半まで読んで、今まで読んだ久坂部作品の中ではトップクラスに面白い。 さほど非現実な話ではないのにひとりひとりのキャラがたってていいですね
2024/10/23
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