職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)
職業としてのAV女優 (幻冬舎新書) / 感想・レビュー
月讀命
よく足を踏入れるBOOK・OFFの店内やレンタルビデオ店、夜中に稀に訪問するアダルトサイトにもAVは氾濫しており、その数は膨大なものである。そして、そこに出演している女性達は、皆美人であり至極可愛い。その昔、私が若かった頃、ビニ本という必要悪な人生の参考書が存在し、そこに登場しているお姉さん達は、三段腹の年頃でセーラー服を着ていたのが当たり前であったが、今は容姿端麗、スタイル抜群でなければ決して雇われない程の求人難、リスキーな割に決して報酬は高くはない仕事であるらしい。AV業界の奥底を垣間見れる本である。
2013/05/04
hatayan
AV業界を熟知する著者がAV女優のスカウトから引退後までを解説。かつては借金返済の手段だったAV女優が今や敷居は下がって狭き門に。容姿で選別される傾向は強まり、上から単体、企画単体、企画のランクに分かれギャラには数十倍の差が。AV女優はプロでありながら初々しい状態が最も価値が高く、経験を重ねるほど価値が下がる生鮮食品のような商品。恥部を晒して映像に残るという極端な経験は引退後強みになり得る一方、その先の人生を普通に生きるのは難しいとして、著者は個人的にはAVや風俗には関わらないことを望ましいとします。
2020/02/12
寛生
【図書館】リサーチのために読み始めたが、これが何とも・・・びっくりして、自分がどんなに無知かと・・。ある意味、僕には《説得力》のある本で、予想とは反してAV業界が何か許せないような感情をもつ。年間4−6千人ほどのAV女優が誕生し消えている背景には信じられない裏切りと暴力が潜んでいる。それでも、経済的困窮からAVの世界に飛び込んでくるらしい。それでも、誰もがなれるわけではなく、いざAVに出演することがあったとしても、ごみのように扱われ捨てられていく。素朴な疑問だけども、どうして人間はこんなに凶暴なのだろう?
2014/08/03
AICHAN
図書館本。AVが本番ありになったのはいつのことか。今ではそんなことは当たり前。この本は、長年、AV女優や風俗嬢へのインタビューを重ねてきた著者がイマドキのAV女優をえぐり出す。今ではAV女優の成り手が増えているという(倍率25倍!)。その理由はスキルがなくても手軽に稼げるからだという。しかしAV女優で荒稼ぎできるのはほんのひと握り。大多数のAV女優はOLと同等かそれ以下の収入だという。それでも本番をものともしないイマドキの若い女性にとってAV女優という仕事は、職業としてひとつの大きな選択肢になっている。
2017/03/14
Kazuko Ohta
毎年4,000〜6,000人がAV女優としてデビューして、ほぼ同じ数が消えてゆく。著者は1998年頃からAV女優や風俗嬢の取材をコンスタントに続け、もはやこれがルーティンワーク。AV女優の労働条件について、単純なギャラのみならず、拘束時間や絡みの回数、市場の変化、志望動機の移り変わり、労使トラブル、引退後の付加価値等が綴られ、確かにものすごい時間をかけて取材したことが明白。ドキュメンタリー映画『セックスの向こう側 AV男優という生き方』(2012)と併せて観るのも良いのではないかと思います。
2017/05/22
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