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あらゆる小説は模倣である。 (幻冬舎新書)

あらゆる小説は模倣である。 (幻冬舎新書)

あらゆる小説は模倣である。 (幻冬舎新書)

作家
清水良典
出版社
幻冬舎
発売日
2012-07-28
ISBN
9784344982703
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あらゆる小説は模倣である。 (幻冬舎新書) / 感想・レビュー

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harass

文芸作品のオリジナリティ信仰を相対化する評論。寺山や澁澤などの例をあげて悪くいうならパクリや影響を受けた例をあげていく。構造主義などの考えやオタク文化の二次創作ややおいなども考察していく。第三章の創作講座は蛇足。三島が絶賛した谷崎『金色の死』→乱歩『パノラマ島綺譚』など。読んで損は無かったと思える本。「すなわちあらゆる小説は、部分や無自覚も含めて、多かれ少なかれ何ものかからの模倣あるいはパクリなのである。だとすれば、パクリを忌避するよりも、むしろ密猟者の自覚と技術の練磨をこそ、書き手は目指すべきだろう。」

2016/07/14

ばりぼー

小説に限らず、あらゆる芸術・科学・スポーツなど、人間の文化的創造は先人の模倣から始まることは常識。ピカソもエジソンもリッチー・ブラックモアも同じことを言っています。著者は小説における模倣を、①自分の独創と思い込んで、二番煎じや紋切り型に陥ってしまう無知な模倣②他の作品をなぞって取り込み、その形跡を容易く見破られてしまう下手な模倣③もとの作品を土台にして別個の作品に仕上げてしまう巧みな模倣、の3つに分類。乱歩が谷崎の「金色の死」を換骨奪胎して「パノラマ島綺譚」を書いたという実例などを紹介してます。

2016/01/28

けやき

小説に限らず人間の社会や文化も先人からの積み重ねによるという話かな。

2016/08/27

アキ

現代ほど模倣を敵とする時代はない。ネットでコピペするのが簡単にできる時代。すぐに盗作や盗用と訴えられる。しかし愛知淑徳大学で教鞭をとる著者は、むしろ模倣を肯定し、文学を形作ってきたものと推奨する。多くの翻訳本がある村上春樹がデビュー作「風の歌を聴け」だけは翻訳を許可してない。米国で模倣とされる可能性が高い。神宮球場で作家になろうと思ったという有名な独白は、自分の好きな海外作家のように英文で書きその翻訳をする小説でと思ったのがその時だったと分析する。模倣から小説は生まれた。それは、あらゆる芸術に言えること。

2018/10/25

sibasiba

安易にパクリ言うな、オリジナリティなんて幻想だって話なんだけど、二次創作についてが面白かった。少年漫画で少年たちの友情を「意図的に誤読」して楽しむ腐女子達云々はなるほどとは思った。しかし後半の実践編は普通。あと、篠原一は自分も好きでした。復活しないかな。

2015/01/20

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