靖国神社 (幻冬舎新書 し 5-7)
靖国神社 (幻冬舎新書 し 5-7) / 感想・レビュー
Miyoshi Hirotaka
11世紀のカノッサの屈辱。内政で対立した聖俗は、外交では一体となり世界を席巻。強訴は清盛を悩ませたが、信長は仏教勢力を武力制圧、徳川時代に寺社勢力の支配が完成した。19世紀に一神教の威力を目の当たりにしたわが国は、宗教改革を断行。1400年続いた神仏の蜜月を終わらせた。官軍用だった靖国神社は、140年間に賊軍、戦勝軍人、戦敗軍人、軍属、戦犯を合祀し、規制緩和してきた。次は、自衛隊員が戦死した時に変容が起きる。1945年を起点とするとこの問題は隘路にはまり込む。わが二千年の歴史と世界史に向き合うべき問題だ。
2016/04/14
ローリー
図書館で借りました。たびたびニュースを賑わす「靖国神社」問題ですが、その歴史とともに、何が問題でどの部分が外国の反発を招いているのかを、左右寄りすぎることのない立場で書かれた本です。しつこいくらいに祀られている祭神の内訳やその選ばれる基準、人数などが記述されています。最初はまどろっこしく感じますが、その基準が徐々に変容し、新政府側の戦死者のみであったはずの合祀対象者がどんどん広げられていく様が恣意的過ぎです。元は天皇陛下のためのはずが、陛下すらお参りできなくなった現状と問題点がよく分かりました。
2015/11/19
muu
靖国問題を考える上で、靖国神社の歴史を中立な立場としてまとめられており、私も偏らずにこの問題に対して考える事ができた。興味深い内容としては、靖国神社のあり方が、日本が歩んできた歴史によって様々な変容を遂げてきたことである。そもそも神道には教義が存在しないがために、靖国の「神社」という軸がそもそも不安定なもののように見えた。さらには国内での政教分離に関する問題、近隣諸国やアメリカとの関係、解決することはかなり困難な状況であると感じた。
2015/12/10
プレイン
靖国神社については左右いずれかの陣営からの主張が多い中、中立的な立場では書かれている。読みやすいが頭にあまり残らない。逆に主張がないからか…小林よしのりの靖国神社のほうが面白かった。
2015/07/01
shiori
幼い頃から親と共に足を運んで来た靖国神社。なぜ世の中にこうも叩かれ、首相が参拝をされた事で隣国から問題になるのか、とても疑問があった。色々な本があるけれど、右に寄ったり左に寄ったりと政治的な要素の本があるなか中立的に淡々と書かれていた。知らなかった事も多く勉強になった。既に知られている事実の中もう少し踏み込んだ中立的な話があっても良かったと思う。自衛隊に関しての考えはこの本では個人的に不要と感じた。靖国を想って命をかけて日本の為に尽くして来た先人達やご先祖様に対する気持ちは今後も変わらない。
2015/06/23
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