戦争する国の道徳 安保・沖縄・福島 (幻冬舎新書)
戦争する国の道徳 安保・沖縄・福島 (幻冬舎新書) / 感想・レビュー
mitei
日本を代表する論者と個人的には思っている三者が、対談した一冊。感情がどこもかしこも劣化しているというのは印象的だった。みんなに合わせて生きていく人が多い中、こうやって孤独に立ち止まってものを思考するのはどんどん難しくなっているなと思った。
2015/10/17
ちょき
小林よしのり氏、宮台真司氏、東浩紀氏による、おもに沖縄、福島、安保をテーマにした対談本。マスコミや共産党、SEALDsらが指摘する安保法案は本当に戦争法案か、沖縄の基地行政についてはどう考えどう対処するのが正しいのか、に関する答えを求め本書を購入。 宮台氏の知識の高さと小林氏のバランスの良を感じつつネットで情報を補足しながら読み砕いた。こういうイデオロギーがはっきりした本はある程度の中立性を意識しつつ、右派と左派の主張を見比べながら読んでいかないと自分自身が偏ってしまうと思う。論理思考の一助に。
2015/12/01
ミッキー・ダック
東氏が司会の鼎談。対立していた保守の小林氏とリベラルの宮台氏が共闘するという興味で読んだが、かなり刺激的。ともに暴走する極右安倍政権、同時に護憲派左翼を現実無視のタテマエ主義だと批判。九条平和主義は戦争を引込む安保=沖縄米軍基地=対米隷属に支えられているという矛盾。これを解くのは重武装中立しかない。日本は戦争する国になってしまったが、これは日米安保に甘え怒りを忘れた国民の責任である。日本に道徳はなく損得しかないのか。今こそ連帯して国民を舐めきった政治家に激怒せよと説く。勉強になったし趣旨にも賛同。
2016/01/31
ちさと
対立しまくっていた小林よりのりを宮台さんが一生懸命よいしょしてるのが不可解に思えた、ゲンロンカフェの鼎談。3人の中では小林よしのりを一番読んでいるし賛同する意見も大いにあるんですけど、東さんが一番まともに思えました。ほのかなわれわれ感覚も失われ、言論の動機が承認欲求と言う「劣化した感情」をテーマに、持論を展開しまくる本です。「コミュニケーションの資本主義化」って日本人の頂点同調主義と絡まって最強に作用してると思う。じゃあ処方箋は何かっていう話になると、宮台さんの意見に従うのは抵抗を感じ得ない。
2019/02/11
Shimaneko
沖縄の基地問題や福島関連の「当事者主義」など、気になるキーワードがてんこもりで、いろいろメモりながら興味深く読了。鼎談の進行役というかMCに徹している東浩紀の賢さが光る。例によって宮台氏の「クソ」「バカ」「ケツ舐め」系の罵倒煽りは許容範囲だけど、(呼ぶほうも呼ばれるほうも)いい歳こいて「よしりん」はそろそろキツイんじゃないかとw
2016/01/26
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