世界はこのままイスラーム化するのか (幻冬舎新書)
世界はこのままイスラーム化するのか (幻冬舎新書) / 感想・レビュー
ちさと
世界はこのままイスラーム化するかどうかは語られない本。キリスト教(一部の宗派)人口が減っている背景として、先進国がイスラムに魅せられているという事実が1つあると思う。その理由を知りたいと手にしたものの、そこに深い考察はなく、残念な気持ち。ただし、イスラムの原理や宗派、歴史と文化など幅広く解説されているので、イスラム教の入門書としては良書です。
2018/11/07
あんこ
題名違くない?この疑問に対する明確な答えはなかったよ。イスラーム主義の本質、カリフ制とは何かがメイン。中田氏、日本人学生をISに仲介したとして、取り調べを受けた人だよね。カリフ制を理想としているそう。氏の理想がずっと語られていて、しかし実際のイスラム社会はそうではないわけで、何ともモヤモヤする。いろんな地域のイスラム教徒の生の声が知りたい。
2016/04/25
nizimasu
島田先生とイスラームに詳しい中田さんは東大の宗教学での先輩後輩というだけあって中田さんの舌鋒はいつもより若干おとなしめか。それでもイスラームというのが仏教や聖書のように作者がイマイチわからんのと違いムハンマドが聞いた神の声にムハンマドの言行録を起点としてそこからイスラム法学者による法の解釈や生活習慣に及ぶまでの規則などにも話が及ぶ。カリフ制の再興を願う中田さんはそこでもISについても言及していて批判的な論旨も非常に明確。最高幹部がカリフの系譜にあるというのも驚かされる。かなりイスラームのイメージ変わった
2015/11/19
またの名
若者のイスラム国参加を支援したあの教授に話を聞く本。そもそも組織を作らないイスラム教では信者が所属する団体もなければ上下関係もなく、その発想のもとにテロをするならやりたい奴が個人で「各自勝手にやれ」という奇妙なネットワーク状になるのが自然らしいので、驚き。個人の内面に介入して心を教育することはあり得ないし金を借りても返す余裕がなかったら返さなくて良い、会ったその日に異性に結婚を申し込んでダメなら離婚すれば良いとまで言われると、信者でもある中田氏の熱い擁護を差し引いても興味が増す。現代世界を読み解く一助に。
2017/08/31
もくもく
島田センセーの新書は、どうも最近タイトルが過激すぎるように感じます。 本書もタイトルに反して、日本人ムスリムとして超有名な中田氏の宗教観やイスラームについての説明を、宗教学者であり、ムスリムの隣人(娘婿がトルコ人ムスリム)でもある島田先生が、興味深くかつ実に分かり易く引き出している、「イスラーム入門」の良書であると感じました。 神と個人との一対一の関係を重視し、本来的には「組織」を嫌うのがイスラーム教の魅力?でもあり、一方で「国民国家の思想」とは相容れないものになり得る理由なのかもしれません。
2016/09/19
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