ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市 (幻冬舎新書)
ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市 (幻冬舎新書) / 感想・レビュー
きみたけ
著者はゲンロン代表取締役の東浩紀氏とフォトグラファー、ライターの大山顕氏。筆者が運営するイベントスペース「ゲンロンカフェ」で行われた対談および座談会を収録しまとめた本。ショッピングモールは子どものいる家族や高齢者に優しい公共空間としての役割を担っているが、世界の都市部でも誰もが同質のサービスを受けられるショッピングモールが理想の街の姿とされています。ショッピングモールの構造は世界的にも似ていて、トイレの位置だけでなく、本屋や食料品店までが何となく分かってしまう。これが人類が求める快適空間なのだろうか?
2021/11/11
おかむら
思想家と写真家がショッピングモールについて語る対談集。モールがそんなに楽しいのかなあと思って読んでみた。楽しさわからず。たぶん子どもとか孫とかキャッキャする層と一緒に行かないと楽しさわかんないのかも。わたし的には疲れてベンチで待ってるおじさんの気分。三浦展派だな私。ただ海外のモール(のフードコート)は楽しそう。
2016/03/28
ネジ
★★★★★ 著者らがショッピングモールに感じる捉え難いわくわく を様々な文化の文脈から哲学する試み。単に歴史を追うのではなく、独創的な観点が対談形式で縁起される様が刺激的だった。知性によれば、身近なものに奥行きある文明論を展開し、未来や理想に思いを馳せることができることに感動した。 ①世界中のモールの配置は酷似している。これは人間の動物的な感覚を再現した結果である。 ②砂漠下においてモールはオアシス的であり、植物園や水の配置はその文脈が想起される。 ③モールは無意識のままユートピアを創る実験をしている。
2024/01/10
ちさと
全く異なった言語や宗教、政治体制を持つ様々な国の人々が、買い物の実践ではみな同じように「ショッピングモール」でZARAを購入する。これは人類にとっては大きな可能性ではないかということで、哲学者と写真家がショッピングモールについて印象論で放談する本です。この本のおもしろいところは、全くの実証も検証もなく好き放題会話して、そこから出てくる挑発的な提案に自分達で驚いているところ。「文系の知はもっと自由であるべきだ」。わくわくが原動力になって生まれる発想は楽しい。
2018/10/19
ころこ
団塊世代までは都市に問題が詰め込まれていて、都市と里山に風景をみました。他方、団塊ジュニア世代ふたりは、都市と里山の間に人工物のある郊外の光景に着目します。東は、まじめな市民ではなく不真面目な消費者の軽薄さが、ショッピングモールの中の新たな公共性の可能性だと、後に『観光客の哲学』の主題となる論点を提示します。ローカルな文脈に引き寄せられがちですが、彼らの関心は世界のモールに引き寄せられています。しかも、日本がみるだけの対象としての従来の欧米ではなく、バンコクやドバイなど日本がみられる対象でありその視線が露
2018/09/03
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