信長はなぜ葬られたのか 世界史の中の本能寺の変 (幻冬舎新書)
信長はなぜ葬られたのか 世界史の中の本能寺の変 (幻冬舎新書) / 感想・レビュー
あすなろ
信長の本能寺の変を軸にその不可思議さを安倍氏が論じた一冊。つまり、朝廷と世界史的バックボーン、つまりイエズス会とスペインの2つの軸を横軸に据え、信長やその他戦国武将を交え論じていく。世界史不勉強さが兎角目立つ僕だが、確かに上述の様な世界史観の中の日本史の捉え方、例えばこの本能寺の変の捉え方というアプローチは考えたことがなかった。でも、翻って更に思考すれば、幾ら古代からの島国といえどそのアプローチは当たり前のことで、更にそういう思考法は何故あまりされないのだろうと思考するに至る。教育の問題か。
2018/10/27
まーくん
本能寺の変は大変な謎である。高校日本史+大河ドラマくらいしか知識のない門外漢でも、光秀の激情に駆られた”単独犯”とは思えない。やはり用意周到、黒幕がいたのか?(その筋の方には常識?)まあ、それよりも後半に述べられているイエズス会との関わり。世界制覇を企むスペインの影。実態はどうだったのだろうか?キリシタン弾圧に転じた秀吉、鎖国へ舵を切った徳川政権。この時期の日本の動きはは世界史の流れとは切り離せない。イエズス会の陰謀(?)に乗せられたら、どんな歴史になったのか?黒船まで続く鎖国は正解だったような・・。
2018/08/26
yamatoshiuruhashi
信長は単に明智光秀一人の謀反で殺されたのではなく、背後に朝廷や足利幕府が隠れ、秀吉はそれを事前に察知し信長を守ることなく自身の天下取りに利用した。種々の考察からこの推論をなし幾つかの小説を書いた著者が、その推論の根拠と小説執筆後に見つけたものを含めて資料の読み解いた道筋を示した本と言えよう。面白く読める。詳細では色々と反論したいところもあるが、歴史の糊塗に挑み真実を求めたい著者の心もちに共感。郷土出身の作家なのにしっかり読んだことがなかったので、自分の中での読書ラインに載せたいがいつのことになるやら。
2018/12/17
kawa
なぜ、信長が光秀により本能寺の変で、葬られたかは今もって定説のない歴史の謎と理解している。本書は、近衛前久らが光秀を動かし成した朝廷黒幕説(秀吉は事前にこの政変を知っていた)に立脚するノンフィクション。可能性なくもない展開、歴史探偵ものとして興味深く読了。説は、当時の世界大航海時代を踏まえてスペイン、イエスズ会の関与まで指摘。「if」としては面白い。次は、これらを踏まえて壮大な世界史小説を期待したいところ。
2018/11/20
たかしくん。
どこか別の本で、聞いたことある説だなぁ、なんて思ってましたら、17年前に出した著者の説の焼き直しだったんですね。。信長と対峙する近衛前久なる黒幕がいて、彼が信長の仏教を冒涜する行為を許せず、光秀を煽ったという説。そして、保険として秀吉とも裏を取っていたとのこと。今となっては、あまり新鮮味はないなぁ。そして、最終章の「戦国大名とキリシタン」の下りは、この本の主旨としては、不要な議論たと思いました。
2018/10/13
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