母の国、父の国
母の国、父の国 / 感想・レビュー
モルク
日本人と黒人とのハーフの女の子エミリ。彼女は父を知らない。。そして母は新しい恋人と結婚するためにエミリを捨て、エミリは義理の叔母に育てられる。何をやっても目立ってしまうエミリ。壮絶ないじめにあい、世間からは差別を受け、恋も裏切られる。それでもエミリだからこそ辛い気持ちを抱えた人を理解できる。日本人は自分達と異なった姿形の人を排除する、白人なら受け入れるが黒人はダメ、これが日本の慣習。悪しきものだが気づかず直す気のない人も多い。最近は少しはよくなったけど、少しじゃ駄目なんだよ。児童書コーナーにあったが良書。
2023/01/19
ゆみねこ
日本で生まれ育ったエミリは勉強もスポーツも秀でているのに、肌の色が違うことで壮絶なイジメに遭う。日本人として、恥ずかしくなるような差別する人々。エミリを育ててくれたかすみさんが居てくれて良かった!とても考えさせられました、小学校高学年以上の皆さんにお薦めです。
2022/09/04
chimako
近くの空地で太鼓を叩く背の高いアフリカ系の男性を見かけたことがある。しなやかな体つきと独特の太鼓の音色、カラフルな洋服。カッコいいなぁと思いつつ一度も声をかけずにいたらいつしか姿が見えなくなった。あの時私は珍しいものを見るような目付きではなかったかと自省する。もっと気軽に声をかければよかった。so cool!と一言だけでも。黒人は目立つ。この物語の主人公エミリも目立つ少女だった。たくさん嫌な思いもしたし、恋人だと思っていた少年には汚ならしい言葉を投げつけられた。母の愛と自らの強さで生き抜く。素晴らしい。
2022/11/22
けんとまん1007
自分のルーツを考える。両親がいて、その両親がいて・・・これまでの環境があて、今の環境があって・・・明日に繋がる。外見からくるもの、指向性からくるもの、いろいろある。その中で、前を向いていくことを考えざるを得ない。少しのきっかけが、大きな違いになりうるということを考える。
2022/10/21
しゃが
黒い肌のえみりの母の国は日本、父の国はドミニカ。母からは見捨てられ、父は会ったこともない。学校ではいじめにあい…、理不尽な肌の色で差別や偏見を乗り越え、悩める子どもたちに手助けをするまでに…。日本語の白と黒へのイメージにもきっと傷つく人はいるのだろうと目から…だった。小手鞠さんらしい作品で、エミリ・ディキンスンの詩集も読んでみたい。
2022/09/06
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