昭和の探偵小説: 昭和元年~昭和二十年
昭和の探偵小説: 昭和元年~昭和二十年 / 感想・レビュー
印度 洋一郎
昭和元年から20年までの、日本の推理・探偵小説の系譜を追う。今は読むことが難しい戦前の作品を色々とストーリーまで書いてあるのが親切だ。いわゆる本格推理作品と、スリラーやSF的な"変格もの"の二大潮流があり、どちらかというと変格ものの方が多かったという。その理由は、当時の日本人は「理詰めの文章が苦手」だったからだという。家族や恋人の間のドロドロした陰謀や犯罪が、歌舞伎の世話物のように当時の大衆には受け入れやすかったらしい。又、小説だけではなく、作家による探偵小説論も紹介され、コンパクトに通史を把握出来る。
2019/01/16
感想・レビューをもっと見る