日本民俗文化資料集成 23
日本民俗文化資料集成 23 / 感想・レビュー
七
古代より樺太と千島に住んだ北方民族らの研究文献を纏めた集成本。古きは明治から平成に至るまでの研究の成果を、その言論の展開とともに知ることができる。中でも印象深かったのは、大正期の記録であった。明治末期の日露戦争によって獲得した南樺太についての研究文献は、その新領地への学者らの高揚感がひしひしと伝わり、新たに手にした北の島への研究に興奮する態度が如実に見て取れた。本全体を通して樺太と千島の内容を網羅しており、日本やロシア、中国による土着民族への政策の実態を把握するのにかなり適した本である。
2021/08/11
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