往復書簡集: 1916~1955
往復書簡集: 1916~1955 / 感想・レビュー
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一般相対性理論発表後に始まる両者の往復書簡は1926年に動く。「神はサイコロを振らない」というアインシュタインの言葉は、同年発表されたシュレーディンガーの波動解釈を精査し、自身も量子力学の確率解釈を発表したボルン宛書簡に書かれた。本書の書簡の往復を読むと、幾何学的に証明されるスピノザの「神」は、光量子仮説で量子力学の可能性を導きながら、相対論的時空の連続性を信じたアインシュタインの拠り所だったかに思える。ハイゼンベルク、パウリ、フォン・ノイマンを輩出したボルンは、その連続性に量子論からの回答を試みている。
2022/01/20
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