黒檀の塔
黒檀の塔 / 感想・レビュー
棕櫚木庵
中・短篇5つを納める.二つ目の「エリデュック」は,作者の長い「個人的な覚え書」を付して,マリー・ド・フランスが語った物語を再話したもの.一読,なんとまぁ,男に都合のよい話だ,と思った.訳者解説によれば,「マリは彼[ファウルズ]が考えるより時代の因習とキリスト教によっており,[ファウルズは,]彼の女性に対する高い評価にかかわらず,不実な男の肩を持ち過ぎているのではないか」との指摘があるとのこと.マリーの語る物語を岩波文庫で読んでみた.
2021/02/08
感想・レビューをもっと見る