テレポートされざる者 (サンリオSF文庫 3-O)
テレポートされざる者 (サンリオSF文庫 3-O) / 感想・レビュー
催涙雨
導入の引き込みが良くできている前半は内容的にも真っ当に面白いSFを読んでいる感じがするのだけど、後半に差しかかるあたりから突然話がごちゃごちゃになりだす。これは後半が後から加筆されたものであることに由来し、それに伴って出版の事情も異様に入り組んでいる模様。丁寧に書かれていた前半をぶっ壊しにかかる後半はLSDに端を発するいつものディック。パーマーエルドリッチやスキャナーダークリーに比べて真に迫る感じがないのは無茶な加筆が祟った結果でしょうかね。欠落箇所を含めて良くも悪くもディックの作品らしくはあるけれど。
2021/10/25
しんこい
テレポーテーションで24光年先の植民地惑星に乗り込み強制収容所を目の当たりにする辺りまでがオーソドックスな宇宙SFで、その後のパラレルワールドはディック調なんでしょうね。後半についていけないならディックが趣味ではないという事か。
2011/12/30
スターライト
片道切符のテレポーテーション・システムであるテルポー装置の謎をさぐるべく、多額の負債を抱えた主人公ラクマエルを見舞う様々な運命を描く作品。60年代のエース・ブックスから出版されたものが元になっているだけに、冒険色満載(?)。フォーマルハウトの植民惑星をめぐる権力闘争が、異星人に(語源通りのBEMも登場!)よる地球支配へと転換したかと思いきや、ストーリーは二転三転する。作品的には粗削りな印象があるが、ディック節は健在。なお本書は、エース版から削除された部分を補遺してあるが、欠落あり。創元版が完全版。
2011/04/21
c3po2006
★★
2009/04/07
sezmar
テレポート装置を利用した太陽系間移住により破産した会社の後継者が宇宙船で 直接移住先に乗り込もうとする、と最初はまっとうな感じで始まったけど紆余曲折 あったあと後継者が移住先にたどり着いてからはいつもの?ディックになってしまった。 出版されるまで色々あったらしいけど三箇所の空白部があるのは面白い。 …とはいえ途中で読むのきつくなったなあ。結末も微妙な気がする。
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