サンディエゴ・ライトフット・スー (サンリオSF文庫 63-B)
サンディエゴ・ライトフット・スー (サンリオSF文庫 63-B) / 感想・レビュー
ニミッツクラス
85年(昭和60年)の740円のサンリオ初版。高騰した本書だが、現在は約2千円から1万円となっている。リーミイの11編収録の短編集で、526頁もあり、値段に負けないすごく濃いF系作品群。リーミイは長編「沈黙の声」と本書の2冊しか世に出していない。文系がリーミイ論を卒論にするなら、長編と本書を読み、巻頭のエリスン、巻末のウォルドロップの序文を丸写しすれば完成だ。両者の序文だけで47頁もある。表題作はN賞、キャンベル賞受賞。ゼナ・ヘンダースンの180度向こう側、エリスンやキング好きには至高の一冊。★★★★★☆
2020/05/01
ノベツ
ホラー寄り幻想小説短編集。実はサンリオSF文庫を読んでみたいというだけで手に取ったのだが、内容、バラエティ、ともに圧巻で心底驚く。そうくるのか! の連続。テンプレじゃない作品が読みたい人におすすめ。 掲題作はアガサ・クリスティーの『春にして君を離れ』並の傑作だと思う。内容は真逆だが、中年にぶっ刺さる。 夭折して本が2冊しか出てないのが本気で悲しい。 長文感想⬇ https://note.com/nobetsu/n/n138490975ead
2023/05/28
スターライト
粒ぞろいの本書だが、ベストをあげるならば、美青年の正体がエドモンド・ハミルトンの某短編を思い出させる「ハリウッドの看板の下で」、中年女性の画家に惹かれる15歳の少年の成長小説「サンディエゴ・ライトフット・スー」、ラヴクラフトのおぞましさをしのぐとエリスンが評する「デトワイラー・ボーイ」、ストレートなラブ・ストーリーを描いた「ビリー・スターを待ちながら」(個人的にはヤング「たんぽぽ娘」を超えた!)となる。
2010/02/07
Valkyrie
表題作の「サンディエゴ・ライトフット・スー」の無垢な少年とアウトローな生き方をしてきた大人の繊細な触れ合いが強く印象に残る。スーは最期に何を思って何を伝えたかったのだろうか。全体を通して「トワイライトゾーン」とか「世にも不思議な物語」にデビルマン的なエロと哀愁をプラスした印象。登場人物がハリウッドの裏方だったり小説書きだったりとリーミイ自身を描いていたのかも。十数年前は古書で数万円して諦めてた本書が(沈黙の声は買えた)、いつの間にか手に届く値段になって驚いた。
2019/04/30
ロックとSF、たまに文学
3200円だったけど買っちゃった。表題作読めただけでそこ価値あり。
2021/02/20
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