スラデック言語遊戯短編集 (サンリオSF文庫 80-A)
スラデック言語遊戯短編集 (サンリオSF文庫 80-A) / 感想・レビュー
きゅー
真正面からぶつかっていこうものなら簡単に弾き返されてしまうような物語ばかりを集めた短篇集。大森望さんが解説で言うには、この本を愉しむコツとして「1マジメに読まない。 2ストーリーばかり追わない。 3パズルと思って解いてみる。」等と書いているけど、その発言が納得の一冊。物語の筋がとこかしらイカレている話、人間関係がブリッジの図面になる話、登場人物の一人が狂ってるせいでストーリーが破綻している話、トンデモ本のはしりのような話などなど奇態な本好きの方々には垂涎ものの一冊では。
2012/02/02
gu
奇想コレクションの『蒸気駆動の少年』よりも「すれっからし」度が高くて慣れるのに時間がかかった。悪意にまみれたジョルジュ・ペレックという言葉が浮かんだ(そんなに読んでないけど)。なんだかんだで好きな作家かもしれない。小説を小説として見てないというか論理の組み合わせを好き勝手にいじっている感じ。『古くなったカスタードの秘密』みたいに頭のおかしいことしか書いてない話ばかり読んでいられたら楽しいかもなあと思う。
2016/02/21
mejiro
「人間関係ブリッジの図面」「平面俯瞰図」「いま一度見直す」「十五のユートピアの下に広がる天国」「メキシコの万里の長城」が特におもしろかった。何篇かは『蒸気駆動の少年』で既読。マッドなだけでなく理知的なところが只者ではない。
2015/11/07
OHta
率直な感想としては全然ワケがわからん! が、しかしワケがわからんなりに楽しく読める奇妙な一冊。どこがどう楽しいか説明しろと言われても困る代物だったりするのですが、ふとした瞬間に笑ったりしてしまうのできっとどこかがなんとなく楽しいのでしょう。そのことを計算して書いているのか、それとも素でやっちゃってるのか、どちらにせよ凄いことです。『顔人間』『密室』『十五のユートピア…』がお気に入り。小説という形式を粘土のようにこねくり回して遊んだような自由な一冊でした。
2017/06/27
wakabon
My favorite book.
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