日本すみずみ紀行 (現代教養文庫 1613)
日本すみずみ紀行 (現代教養文庫 1613) / 感想・レビュー
ホークス
1980年代、過疎化が進み、懐かしさと滅びの予感漂う場所の紀行。自分は根無しの若造だったが、その様な街に感じたのは、良くも悪くも「上の世代の価値観」に支えられている事と、土地と生きる覚悟無しには対峙できないという事だった。そんな葛藤のせいか、危機的な街ほど文章に深味を感じる。と言うと地元の方に申し訳無いが、今や滅びの予感は至る所にある(本書でも下北半島の人が「団地は都会の田舎」と既に言っている)。あらゆる街が「すみずみ紀行」の対象になり、多様な作品になってきている。今後も味わっていきたい。
2018/01/08
hitsuji023
特に観光地ではない場所を著者の興味の赴くままに歩く、一人旅である。決して派手ではないけれど風情のある風景を見て、どんな街だったんだろうと想像を巡らせ、宿で地元の肴で一杯飲む。のんびりした一人旅が好きな人、したことがある人ならこの雰囲気は味わえるはず。
2018/11/28
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