「結婚式教会」の誕生
「結婚式教会」の誕生 / 感想・レビュー
ヒデミン@もも
③大学図書館
2017/07/13
yamikin
五十嵐太郎氏の建築思想はやっぱり面白い。「高尚」な建築ばかりが対象にされる建築批評の中でスルーされてゆくキッチュでいかがわしい建築、言わば「ノイズ」ともいえる建築をしっかりと調べ上げ、論じているからだ。90年頃のリクルートから発行された結婚式雑誌の誕生後に爆発的に増加した結婚式教会。それは「豪華」で「ロマンチック」な結婚式を望む花嫁のニーズを的確に捉えたものだった。結婚式教会のようなみんなが本来好奇心を持っているはずのものをスルーしない彼の仕事。私もこういうアンテナ。発信する存在になりたいものだ。
2011/01/24
A
本書は、日本で1990年代以降急増した、信者のための宗教儀式は一切行わず、非信者のための結婚式のみを行う教会を「結婚式教会」と命名し、その内実を考察したもの。「結婚式教会」の多くは、西洋の教会の劣化コピーで、商業主義的でキッチュな建築なのだが、日本人の多くはそんなことなどお構いなしに、嬉々としてそこで式を挙げる。キリスト教徒でもないのに。個人的には、日本人はもう少し宗教や建築に対するリテラシーを高めたほうがよいと思うのだが。外国人から見ると「結婚式教会」というのは奇妙に映るのではないか。
2019/05/08
おいくろ
キリスト教信者が集まる場所ではなく、結婚式をするためだけに存在する教会についての考察が書かれている。建築物としてみるとチープではあると思っていたが、この本で結婚式教会はウェディングドレスを綺麗に見せるために存在するとあり、なるほどと思えた。
2015/06/06
RYU
信者なき「結婚式教会」について。結婚式教会は、ステンドグラスやパイプオルガンを標準装備したゴシック様式が主。それは、祝祭という非日常の演出のためともされる。ときにKitschとされる結婚式教会は、複数の宗教教義を混在させた儀礼をもつ日本という文化圏を背景に、西洋への憧れ、裕福な大衆社会などの条件がそろって誕生した。
2017/12/18
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