[連塾 方法日本II]侘び・数寄・余白 アートにひそむ負の想像力
[連塾 方法日本II]侘び・数寄・余白 アートにひそむ負の想像力 / 感想・レビュー
非日常口
日本の文化が「わび・さび・萌え」となったと聞いてから何年経ったか。現代の市中の山居はスマホなのかもしれないが、そこに余白はなく光の粒で埋められる。「白紙も模様のうちなれば心にてふさぐべし」。ウツとウツツの移ろいには、心の鬱ぎ(ふさぎ)も肯定される。残山剩水越しに数寄を見て、不完全と真摯に向き合うカギリの創造が、水墨によって胸中の山水にあわい広がりを持たせる。寄物陳思の滲みは、而今の山水にアクチュアルな揺らぎをもたらす。伝統と革新は同じものであり、違いは背景による。日常と非日常の境い目を知ろうとする一冊。
2016/03/10
おおにし
第四講で紹介されている1970年代に松岡さんが編集した雑誌「遊」は「編集というものは、ある閾値を超えるまで大量のものを踏査することによって初めて駆動するものなのです」という彼の言葉どおり、森羅万象の情報が緻密につめ込まれた素晴らしい雑誌で今でも愛読しています。連塾の講義の根底にはこの編集の手法があるのだなと改めて気づきました。また、2004年放送のNHK人間講座「おもかげの国うつろいの国」で松岡さんが述べようとしていたことが、今回第六講を読んでようやく理解することができたのは収穫でした。残り第三巻も期待。
2012/12/18
Takahiro Imaki
方法日本の第二弾。この本は何度読んでも新しい発見を得られる本だと感じました。岡倉天心、内村鑑三など、名前だけは知ってるって感じだったけど、今や興味津々に(笑)日本のアートについて、必ず良い気づきが得られる良書でした。また、暫くしたら読み返そうっと。
2012/06/19
かりん
5:なんでこの本が1,800円なのでしょう。値千金。しかし一読じゃ生かせなそう。■にほん/にっぽん。大量の情報を集めて突き合わせる。オフサイド。五線譜。部分と全体を分断しすぎ。多様性を生かすには、新たな多様性と旧来の多様性のあいだに何かを生んでいくべき。このズレこそが日本なのだ、日本語なのだ。「無」は「ない」のではなく、「ある」。神社には「何もない」。故意に何かを仕立てずにおいて、想像のはたらきでこれを完成させる。本気の「和」というのはものすごいアヴァンギャルドなんですよ。意識が速いんですね。多様と一途。
2010/10/02
qwel21
日本とその奥に潜む「方法」について知りたければこの1冊。日本美術について何も知らなかったので、この本を読んでもっと知ってみたくなりました。伝統芸能恐るべし。
2009/12/28
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