匠の流儀 経済と技能のあいだ
匠の流儀 経済と技能のあいだ / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
松岡正剛先生は、モンテーニュ『エセー』には10年に1度は目を通す(025頁)。ラ・ボエシーに16C半ばの社会の『自発的隷属論』があるという。人が君主社会や組織に従うのは、従いたい自由意志がはたらくから。嫌々ながらでないと主張。他人を利用する自由と、他人に利用される自由が出会うとき、人は従属や隷属を苦痛と思わなくなると結論づけた(同頁~)。いまや世界は経済、社会、文化の各力の最適組み合わせに向かってアジェンダを立てて決断しなければならないところにさしかかっている(039頁)。
2016/04/24
すうさん
2015年初版の本。松岡正剛の本は読む者を選び、「時」も選ぶのだ。私もやっと読むことができた。今まで読む力がなかっただけで、主張する中身は時間を経ても変わらない。それは日本の歴史や文化に裏付けされているからだろう。本書に登場するゲストスピーカーもひとかどの人物であるのはもちろん語る内容やその意味にまで言及されていて奥が深い。「縁」ネットワーク:流通、「座」プラットフォーム:場、そして「匠」アーティスト:技術職人テーマを通じて日本のあり様や進むべき道を照らす。日本独自の文化と経済との関係も理解できる。快著!
2020/04/13
猿田康二
著者とこの著作に登場する多くのゲストスピーカーはいずれもその道のまさに「匠」であり、その匠たちは皆、日本企業は企業内でその「匠」を育成することが、欧米諸国がこれまで牽引してきて、現在停滞しているグローバル経済を打開する一つの戦略であると主張する。日本の長い歴史が育んだ伝統と文化を経済に組み入れる方法論を、それぞれ分野の専門家が日本の歴史を語りながら並行して主張することに読者はインスパイアされる。グローバル社会の渦に巻き込まれて苦闘するビジネスマンに一つの解決策のヒントを与えてくれる価値ある一冊である。
2017/11/06
竹内靖
4~5年前の本だと思いますが、読み替えしてみると時代が進んでも一向に日本人の価値観をどう取り戻すか、日本の今後進むべき道筋が見えてこないような感じがしてならない。もっと基本に立ち返り、政治家は自分の選挙のことばかり考えずに、また企業も利益、株価に一喜一憂せず、今するべきことをきっちりとしなければならないと思う。自戒も込めて!
2018/08/20
n-mochizuki
日本の歴史は擦り合わせの歴史である。
2017/04/21
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