18歳から考える国家と「私」の行方 〈西巻〉 セイゴオ先生が語る歴史的現在
18歳から考える国家と「私」の行方 〈西巻〉 セイゴオ先生が語る歴史的現在 / 感想・レビュー
marco
松岡正剛の「遺言」。これ、大げさでなく、若い世代に向け歴史的事象を現在と結びつけて捉え、日本、いや、世界で起きている問題を解決していってほしい、との強いメッセージが織り込まれている。さて、私たちは世界を相手にどんなインタースコアを起こせるだろうか?
2016/04/18
Hatann
下巻に相当する「西巻」では「進化論」「哲学・文学」「反植民地」「大衆」「インターネット」等を横軸にとり日本と世界を繋ぎインタースコアを試みる。中でも「歴史認識問題と日本の語り方」が明晰である。謝罪しているのに念押しを求められると説明しにくくなるのは何故か。その後「日本がアメリカ風でも中国風でもない日本という物語を語るには「抱いて普遍、放して普遍」という両方を見据る必要があります。それにはいろいろなものを総動員して、それらを重要にインタースコアして、そのうえでかなりの引き算に挑むべきでしょうね」と総括する。
2019/11/15
kyoko
20世紀は社会主義の壮大な実験の世紀だったと思っていたが、民主主義の実験の世紀でもあったんだなーと思った。そして国民国家とは戦争をするための国家という論にはうなずくしかない。欧米列強、イギリスの間違い、中東情勢など現代史にはかならず理由がある。そして読みながらリストアップした参考文献は10冊を越えた。知的好奇心を刺激される1冊。
2016/12/15
ネコ虎
歴史のおさらい。新しい見方がいくつもあったけど、あまり感動せず。松岡正剛はやや左翼シンパなので、東京裁判史観等にこだわりもなく、深く突き詰めようとはしていないところに不満が残る。白井聡なんかには言及するが、保守派のものには触れようともしない。世界史を同時に切り取るとはいうものの、日本の位置づけへの理解が薄いような気がした。
2016/04/14
訪問者
『東巻』に比べてよりブラッシュアップされている。第12講のインターネットの世界化についての8つの懸念と第14講の宮崎滔天のエピソードにセイゴオ先生の編集方法のエッセンスを感じる。
2024/11/19
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