母という暴力〈改訂増補版〉
母という暴力〈改訂増補版〉 / 感想・レビュー
寛生
「母」という存在が子供に一体どう影響するのか、よく描写されているし、理論性があって理解しやすい。母性と暴力の関連性について記述されている。「私」を「ある」と認めてくれる存在は「母」以外にないのか、提起できないのか。「私」が人間として成長し、生き抜いていくために、母性的な暴力から逃れることは無理なのか?母性的暴力を受けて、大人になったとしても、その自らのうちにある暴力性を、北野武のように映画や芸術作品に転換というか、表現しなおすことは無理なのか?
2012/11/22
にがつ
わかりやすい言葉でまとめてあって興味深く読めた気がする。反復するということ、「する」と「ある」についてや、北野武のインタビュー記事に触れてる部分、18歳の少年との恋で起こってしまった事件のあたりが印象に残ってる。誰しもあまりに言うこときかなかったら子どもに手をあげてしまうと思うな…。母であってもいつでも冷静だとか、バランスのいい人間ではないし。難しいな。
2014/01/07
jamko
「しつけは親の生き方そのもの」「六歳まではいくらでも甘えさせていい」子ども相手にイライラするときほど思い出したい言葉。巻末の、過去に虐待をしていたお母さんたちの対談は読んでいて本当に辛かった。
2014/03/21
キムチ
自分の中での「母性」にまだまだ、逡巡があり、仕事と相まって、熟考しなきゃと思っているこのごろ。10年以上前の執筆ながら、今日的テーマにきりこんでいる。虐待事件が止まらない昨今の上、少子がどんどん進み、過剰ともいえる子供との関わり、未婚の加速化、そして老親との同居・・介護・・。ウィニコットの「ある」と「する」に関しての記述は面白く、考えさせられた。
2012/07/01
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