遠藤周作とShusakuEndo: アメリカ沈黙と声遠藤文学研究学会報告
遠藤周作とShusakuEndo: アメリカ沈黙と声遠藤文学研究学会報告 / 感想・レビュー
たろーたん
覚書。『沈黙』はある意味、殉教者の名を汚し、日本のカトリック信仰が本物であるかどうかを疑い、人々の苦痛から救うためにイエス自身も踏み絵に足を乗せただろうと主張する、異端の書である。キリスト教の小説だけどマンセーではない。日本人は歪めたキリスト教のために死んだという主張に対し、「それなら、ポルトガルのキリスト教は歪められていないのか」と説明しているのは面白かった。ロドリゴの背教が、ユダと同じ行為なのか、キリストに比する行為なのか、弱い行為なのか強い行為なのか。一冊の小説を深く考える姿勢が面白かった。
2019/12/23
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